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幼女転生 夢想の彼方へ

  • 投稿者: ヴィリコ   [2019年 07月 16日 12時 56分 ()]
 世の中には、本人の意思でどうにもならない厄介な病気があるようです。
 深く眠りたい夜に眠れず、しかし絶えず浅い睡魔に襲われ、あられもない時と場所でいつの間にか夢の向こうに連れて行かれてしまう、過眠症のひとつでナルコレプシーと言う。
 
 本作は、その厄介なナルコちゃんの嫌がらせに戸惑う主人公の、鬱々とした冴えない日常から幼女転生へゆらりとスライドして始まる。
 
 まるで白昼夢を見せられているような流れに感心させられる。

 読みやすい小説とは、最初から読者を驚かせたりしない。

 カラリと戸を引き暖簾を静かに押して、中の様子を伺い軽く会釈するように。

 さて本作品、序盤から女体への危うい好奇心が少々心配ではあるが、抜け感のある描写がエロを適度に抑制しており、今後の展開に期待が持てる。

 タイトルの夢想が一体なにを意味するのか?

 小説は眠らない。
 最後まで見届けたい作品である。
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