イチオシレビュー一覧

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王道RPG作品の金字塔

  • 投稿者: 千葉丸才   [2020年 07月 02日 23時 07分]
 面白いです。

 本作の魅力は作り込まれた人物像と世界観にあると思います。
 雲の上に存在する上界。そして、雲の下に広がる下界。

 その二つを巡り、世界の謎を紐解いていくこの物語は正に王道的RPGの様なストーリーです。

 キャラクターの掘り下げも十分にされており、例えメインのキャラクターでなくとも浅く雑に表現されてはいません。

 確かに世界観や人物をしっかりと掘り下げていくこの作品は、なろう系と揶揄される様な作品群と違い瞬発力の強い作品とは言い難いとは思います。

 しかし昨今の“妬み”や“僻み”、“怨み”を形にした様な作品と違い、純粋な“冒険心”とそれに対する“憧れ”を込められた作品だと思います。

 願わくば、この作品が多くの人の心を打てばと思います。

どこまでも隙の無い、信頼と実績の王道長編

  • 投稿者: 甲乙   [2019年 09月 13日 21時 26分 ()]
完結済の、160万字超え大長編となります。
この作品を推すにあたって強調したいのは、「王道」と「安定感」の2点です。

物語は謎の少年ソロンと若き女帝アルヴァの出会いから動き出し、雲の上の世界で仲間達と力を合わせて冒険する、という流れ。まさに王道、古き良きボーイミーツガールです。
また、戦闘シーンだけでなく探索や行軍、野営などの冒険シーンや、異世界ならではの風景といった部分も丁寧に描かれています。

そして、この作品に感じる安定感の秘密は「隙の無さ」と言えます。
設定に無駄が無い。キャラや要素の空気化が無い。ご都合展開が無い。
読み進めるほど、しっかりしたプロットに支えられた安定感を感じます。

なお、キャラや設定で魅せる作品ではありませんが、決してキャラに魅力が無いという意味ではありません。
ヘタレだけど決める時は決める主人公と、クールで気高いヒロインの組み合わせにピンときた貴方に是非。

確かな筆致で描かれる、魅力的な世界と冒険

今までも何度か、色々な作品にレビューを書こうと思いましたが、実際に書くのは初めてです。
なぜ、今回は書くのか、それは単純に

「この作品はもっと読まれるべきだ」

と思うからです。

作者様は小説は初めてとの事ですが、普段はゲームシナリオを書いているということで、文章には安定感があり、読みやすいです。
また、大量の書き溜めと最後までのプロット作成済みとのことで、いわゆる「エタる」心配はないのも安心感に繋がります。

物語は「上界」と「下界」が存在し、そこを往復しながら世界の謎に迫る、といった冒険譚。
まさにRPGの王道を彷彿とさせる、真っ直ぐなストーリーでありながら、多彩なイベントが用意されています。

次々と事件が! という作品ではないので、序盤は多少物足りないかもしれませんが、逆に序盤のアイデア勝負! という作品ではないので、じっくり長く付き合える作品をお探しの方にオススメです。
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