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愛に囚われる人びと

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 08月 04日 13時 41分]
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前世の記憶を持つ主人公フィーネは今世でもニコラスを愛してしまう。たとえニコラスがほかの女性を愛していても。
人を愛する気持ちというものはままならない、愛されないと知っていても愛する事をやめられない主人公が非常によく描かれている。そして彼女は愛されていないと思いこんでいたが、そこには男の身勝手な愛があった。

前世と今世で名前が同じなのは、余計な説明を削ぎ落とし、彼らの関係だけに注視できるようにしたためだろう。ここで前世が〜と冗長な文章が入ると物語にのめり込めなくなる。そういう点でもよくできた作品だと思う。

ただし、報われない愛にイライラする人にはお勧めしない。他人の心も自分の心も思うようにならないことを知っている方に読んで欲しい。
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