イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

コポコポと余韻で殴りかかってくる

  • 投稿者: ぽよふみ   [2019年 10月 26日 02時 09分]
ありのままを受け入れろと言うのは甘えではないか。それを人に発するにはあまりにもバツが悪い。しかし忙しない日々の中に癒しがなければやってられない。そんなとき、自然や動物、虚像に癒しを求める人は少なくない。

本作の主人公は海の中にいる。聴こえるのは泡音。終わりのない闇の中で、彼は自分に突如襲ってきた出来事へと思いを馳せる。
愛は打算か。理論は平穏か。
生々しい感情を箱に詰め、手放すことで満たされるのだろうか。
読み終えても、共感と疑問、海中に吐き出された泡のように、心に余韻が立ち上ぼり続ける。
ぜひ、噛み締めて読んでいただきたい。
↑ページトップへ