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現実(reality)と非現実(unreality)が奏でる交響曲(Symphony)

  • 投稿者: 木立 花音   [2020年 07月 24日 16時 22分 ()]
 遠い記憶の片隅で鳴り続ける思い出の吹奏楽が、ずっと彼の心を捉えて離さなかった。
 中学生になったばかりの主人公、見澤悠斗(みさわゆうと)は、幼馴染の佐野心音(さのここね)と一緒に女子だらけの音楽室へと足を運ぶ。
 しかし、現在の真島中学校吹奏楽部に、栄光の面影は残されていなくて──。

 楽器の知識。吹奏楽の練習方法。コンクールの日の緊張感。
 吹奏楽に携わってきたヒトもまたそうでないヒトも、丁寧な筆致で描かれる演奏描写に心を惹かれることでしょう。
 
 なぜ、吹奏楽部はかつての栄光を失ってしまったのか?
 なぜ、主人公はたびたび既視感のような幻想をみるのか?

 物語の真相に触れたとき、きっとあなたは驚くことでしょう。

 忘れかけていた青春の日々を思い出しながら、真島中吹奏楽部の軌跡に──触れてみませんか?
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