イチオシレビュー一覧

これは無限に広がる大宇宙の片隅に存在する、或る惑星の物語です。
その惑星の住民達は、家族以上のコミュニティを持たずにひたすら流浪の人生を送っていました。
同様に旅を続けている他の家族と出会っても、挨拶を交わすだけで決して同行せず、特定の土地に根を下ろす事もしないのです。
彼等が断固として定住生活を行わないのには、深い理由があったからでした…
人間が社会を作るのは何のためなのか。
そして本当の幸福とは何なのか。
SF連作「宇宙開拓シリーズ」の１作である本作は、人生について深く考えさせられる哲学的な御話です。

この物語はふしぎな生活習慣を持つ人々のお話です。
ところ変われば考え方・価値観が違うものですが……。

この物語のタイトル「旅民達の星」。

とても印象的なタイトルです。
私は「一体どういう星なのだろう……？」と読み進めます。


まず、主人公の女の子がとっても可愛い！
そして、ふしぎな風習を持つ人々。

さらに読み進めていくと主人公の家族を悲劇が襲います。
私は涙しました。


物語のSF的な背景もお見事です。
むしろソコがSF的には話の本筋なのでしょう。
でも私はその舞台に暮らす登場人物達に心奪われてしまいました。

約1800文字の読みやすい短編ですが、奥が、奥が深いっ
こんなにも心を揺さぶられるとは。

「かわいい」
「不思議」
「どうして」
「妹ちゃん……」
「人間とは」
「主人公ちゃん……」

宇宙のどこかに主人公ちゃん達が旅する惑星があるのかな……。
ぜひ読んでみてください。