イチオシレビュー一覧

エメット・ドロッセルマイヤーはヴァールと呼称された生命体との戦争によって、家族を失った。周囲の大人に反発し堕落した日々を送っていた彼女は、ある日リジーナと名乗った女性と出会いあるものを見せられる。それはエメットの兄、オーヴィルの最後の戦いの記憶だった。

この小説はリアルロボットものであり、メカや武器の詳細な設定や、様々な比喩が交えられた迫力のある戦闘描写は読者を引き込んでくれるだろう。登場するヴァールは恐怖と絶望感をもってオーヴィルたちに襲い掛かり、戦闘に緊迫感をもたらしている。

そしてこの物語で『噓つき』と言われているオーヴィルの精神的な成長も、この物語で注目すべき点だ。彼が如何にして戦いの果てまでに成長したのか、彼の『嘘』は何をもたらしたのか、読めば更に物語を楽しめるだろう。

ハードな世界観を読みたい方もそうでない方も、オーヴィルが辿った軌跡をエメットとともに追っていただきたい。