イチオシレビュー一覧

切なく胸が締め付けられるような気持ちになる短編です。
続編がとても読みたくなりました。
登場人物の感情がするするとはいってきて、すっと物語に引き込まれて情景が浮かびます。
連載版としてや、漫画としても読みたくなるほどひきこまれました。
作者様、素敵な短編を読ませて下さりありがとうございました。
応援しています。

　断罪されたときに前世を思い出した、のとはちょっと違う。
　似たような話は何度も見たと思った方は、短編としてはちょっと長いかもしれないが最後まで読んでほしい。

　そこには確かに、王子様に恋をしていた悪役令嬢の心があったはずなのだ。その心はどこにいってしまったのか。
　王子に恋をしていた悪役令嬢の「体」を引き継いだ「私」は、そのとき、「彼女」のかわりに、彼女の愛しい人に何を伝えればいいのだろうか。

　顧みられることがない、消えてしまった悪役令嬢の恋に、ちょっとだけ思いを馳せてみませんか。

消えてしまったただの石が、かつて一瞬光っていたことを思い出してそっと偲ぶように、私はこのお話を何度も読み返してしまうので、慣れないレビューします。

相思相愛のすれ違いハッピーエンドものが大好きだけど、好かれてるって胡座かく方がやり過ぎたときに痛い目見るのも好きなんですよーという人向けでしょうか？

たぶん違います。
大体そういうときって振り回された方が逆に相手ぶん投げて幸せになってこそですからね。そういう意味ではカタルシスが足りない。タイトルそのままに、静かな物語なので。

このお話は一人の女の子の恋の始まりと終わりを語り手と一緒に見つめるお話です。ハッピーエンドでなくてもいい、余韻を楽しむ話が好き、という方にぜひご一読いただきたい。