イチオシレビュー一覧

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強すぎる愛という名の毒。それを作り出したるは慾。

誰かを大切に思う気持ち。
誰かを愛する気持ち。

それは何よりも尊いものだとおもう。

けれども、その感情が強すぎると、かえって毒になることもある。

これはそんな、愛を毒に変えた一人の人間の業を書きなぐった作品である。

この作品の解釈は人によって異なるかと思う。
全ての人が、同じように解釈するとは思えない。

しかしながら、本作を読んだ人は誰しも、語り部がまともな人間であるとは思わないだろう。

でも……。

愛が強すぎて、誰かを独占し、毒によって全てを支配しようとする慾は、全ての人が心の中に宿しているのではなかろうか。

愛ゆえに、愛するがゆえに、一匙の毒を。
その最後の一匙を垂らした後の話は誰も知らない。

しかし、これだけははっきりと言える。
その先にあるのは幸福ではない。

毒がもたらすのは絶望と言う名のバッドエンド。
強すぎる愛は決して人を幸福にはしない。
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