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商業出版にも耐えられる、『ゆるパク』

読んで貰えれば分かることだが、この作品は何処かで見た展開の連続ではあるけど、きっちりとオリジナリティ要素を入れていることで、作者自身の作品へとしている。

ある漫画家が、「漫画家は皆、一度は西遊記を描く」といっていた。これは話全体でなくとも、要素を含めれば、何かしらネタにするとのこと。
西遊記は小学生でも読める作品だけに、そこに出てくる要素で例えれば分かりやすい。

また、ある漫画家の神様はこういっている
「君たち、漫画から漫画の勉強するのはやめなさい。
一流の映画をみろ、一流の音楽を聞け、
一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。
そして、それから自分の世界を作れ。」

大事なのは、作り手自身がその設定を借り物ではなく、自分のモノに出来ているかどうかである。
この作品はそこがしっかりと出来ているので、似た要素でも商業出版にも耐えられる、『ゆるパク』である。

盗むことは場合によっては悪ではない

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 10月 10日 15時 19分]
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まずは称賛の意を示したい。
ゆるパクという言葉が横行し、速攻でそれに切り込んで風刺なろうテンプレを書くその潔さに。

さて、ゆるパクという言葉についてだが、これほど馬鹿らしい言葉があるだろうか。
ある一部の設定や文章が被っているだけでパクリ扱いだと難癖をつける人間などこの世にいくらでもいるだろう。
なろうテンプレ作品が全てスマホ太郎のパクリで、VRを扱えば全てSAOのパクリなのか。
こんな馬鹿馬鹿しい話はないだろう。作者は堂々としていればいいのだ。古来より「見て技を盗め」というように、影響されるのは悪ではない。むしろ学び、それを糧にした成長だ。

この「盗人猛々しい」とも言える作品はそれらを全肯定し、軽妙に笑い飛ばす最高の皮肉で、なによりもエンターテインメントだ。
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