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技巧派作者のヒューマンドラマ恋愛ミステリー書き方指南小説てよく纏まったな!

  • 投稿者: 金城sora   [2020年 04月 16日 14時 37分]
騙された、てっきり小説の書き方指南かと思って読んで泣かされるだなんて・・・
作者様は底辺ではなく、しっかり書籍可している作家先生だ。 それも何冊も、そんな先生の指南をあやかりたいと邪な気持ちで読んだら・・・

まんまと騙されたぜっ!!

サブタイトルは書く人ならそういう視点で読みましょうと言うような野暮ったいタイトルだ。

最初はサブタイトルを見てネタバレしながら読むわけだから単調な話が続くんだと思ったらどんでん返しまで用意している・・・

だと・・・

物語の主人公は売れないラノベ作家、なろうで書いてる人なら必ず感情移入すること間違いなし。

読み専の人も夢を追う彼を応援したくなるだろう。

たった9万字の中に詰め込まれた、ヒューマンドラマ、恋愛、夢、謎解き、書き方指南。

それをこっそり教える、いやいや、ハードルたけーよ、教えられて出来ねーよ。スゲーなこの人。

天才かよ

緻密な計算の上で作り込まれたヒューマンドラマ

運良く一作書籍化できたものの、その後は鳴かず飛ばずだった底辺ラノベ作家が、突然貰ったファンレター。その送り主と、彼を取り巻く日常が、少しずつ彼に希望を与えていく。

「売れない小説の書き方教えるから、これを真似ないようにすれば良い小説が書けるようになるぞ」という内容を想像してしまうでしょうが、実際は正統派ヒューマンドラマな小説です。ジャンルは恋愛ですが。

その一風変わったタイトルは「それぞれその章の内容にしっかり合わせている」という工夫がされています。それでも各章とても面白く、引き込まれるのです。何が売れない小説の書き方だ、バッチリ面白いじゃないか。

主人公たちの心情の描写がとても丁寧なのも特徴です。自身も書き手の端くれとして、本当にためになる内容です。ブックマークして参考資料にするのもアリかと。

そしてラストの展開。
その巧妙に隠された伏線を、ぜひ皆様にも探してもらいたいものです。
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