イチオシレビュー一覧

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「月が綺麗ですね」といえば愛の告白ですが、この作品では「お前を殺す」という意味です。

 突然ですが、月の裏側を見たことはあるでしょうか。
 見た方はご存知かと思いますが、その表情は驚くほど不気味です。

 ルナティック・ダンスホール。
 この作品はまるで月のようであり、不気味で神秘的な旋律で物語を牽引してくれます。

 ある日、主人公・増見光成の迷い込んだ竹林に「カグヤ」が現れます。カグヤは美しい赤子ではなく、ガラの悪いお兄さんです。

 出会いは事件であり、血に|塗《まみ》れたものでした。その後は一貫して得体の知れない不気味さで描写されます。徐々に変化していくふたりの間柄が魅力的です。

 カグヤを巡る世界は謎に満ちていますが、どうやら「かぐや姫の伝説」がミステリーの鍵となっているようです。
 平安の伝説は現代にどのような伝説を残すのでしょうか。

 人間の醜い部分を惜しげもなく魅せてくれる作者様なので、善悪を行来したい大人の方にじっくりと読んでいただきたい作品です。

この作者、表現の限界を知らぬ強者なり

  • 投稿者: hygirl   [2020年 02月 04日 21時 39分]

こんなレビュータイトルはふざけてるって思われるだろうし、あえて最初に言うならこのレビューではこの作品の内容や人物については触れない。
触れたくない、というかオレが触れるくらいならこのレビューを見たアナタには読んで確かめてもらいたい。

ハッキリ言うとこの作品、流行りとかそんなのは関係ない書きたいものを書かれた作品と言えば簡潔な説明としては分かりやすいかもしれない。

その単純な説明に対して補足して取り上げるならこの作品の作者の表現力とそこにある感性。
至る所に見られる言葉の数々、適した言葉が選び抜かれたであろうスマートな文章、知性を感じさせられる力強い言葉、何より人の形を文字でここまで色濃く表せるのは表現者としての才だと痛感させられる。

このレビューを読んで何が言いたいのか分からないと思っだろ?
ならこの作品を読んでみろ、そしたら分かるよ。
この作品の秘めた素晴らしさが。
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