イチオシレビュー一覧

この物語での”ライフ”は少し読む前とは、イメージの違うものだと感じた。主人公はワンルームの部屋に住んでおり、17歳の少女である。過去に重いものを背負っており、そこから逃れ、自分らしく生きようとしている印象。しかし母は病にかかっており、その治療費も負担しなければならない。魔法などが存在するファンタジーを舞台にする作品において、生活に密着し”生きる”ことに対してリアリティを追求した物語だと感じた。スポットをあてている部分がかなり斬新であり、これは筆者（自分）の偏見ではあるが”男性よりも女性”が好みそうな作品だと思った。戦闘描写においても丁寧ではあるが、それよりも主人公の生活部分が際立ち、その方向性も既存の物語とは少し傾向が異なる印象を受けたからである。
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか？　おススメです。

とある貴族の令嬢。彼女は圧倒的な才能に恵まれた。頭脳、人望、技術、美貌。すべてを持っているかに思われる彼女はしかし、幸福とは言えなかった。高貴な生まれはそれらすべてを縛り付けるものでしかなかったのだ。

「旋風のルスト」……彼女は自らの道を、自らの手で切り開く。
一癖も二癖もある年上の男たちを、時に叱咤し、時に優しく包み込み、圧倒的なカリスマ性をもって率いていく。
その旅路の中で、関わったすべての人々を救いながら。

作りこまれた緻密な世界観に支えられ、圧倒的な臨場感をもって描かれる、ルストの力強い姿に心が奪われる。彼女に惚れない人などいるのだろうか。

前を向くための力が欲しいと願う人に、是非読んでほしい作品だ。

少女は舞う。
実態を持たぬ風のように舞踊る。相手にその身を掴ませず、時に優しくそよぎ相手に寄り添い、時に激しく吹き荒れ相手を吹き飛ばし。
少女は戦う。
熱気をはらんだ旋風の如く駆け抜ける。得意の武器を巧みに操り、身体を砕き、心を砕く。
少女は生きる。
それこそ自らを嵐と化し吹き荒れる。共に戦う仲間を巻き込んで、己が存在を主張するかのように。


丁寧な描写、リズムの良い文章で読みやすい。特に人物描写、戦闘描写は綿密に描かれている。まるで目の前で演武が行われているかのようだ。
そして、その描写を実に盛り上げるべきところに上手くはめ込んでくる物語全体の構成力にも目を見張る。
構成の緩急が上手くつけられているので、盛りあがるべきところが読者の想像以上に盛り上がる。
ああ、ルストが嫁に欲しい……。
是非、御一読を！

この物語の主人公は、自分自身の意思を貫き、自分の道は自分で切り拓く、真の意味での「強さ」を持つ少女。
そんな少女が、ひとクセもふたクセもある傭兵団を率いて活躍していく本格戦記ファンタジーです。

まず、本格ファンタジーの醍醐味であるオリジナル世界の創り込みとキャラクターの練り込み・立て方が非常に上手いと思います。

そんなしっかりとした基盤のうえで描かれる主人公の活躍、個性的な仲間達とのヒューマンドラマ、そして戦いの数々。全てが、戦記ファンタジーとしての魅力をじゅうぶんに発揮している作品です。
魅力的でカッコイイ主人公と個性的な仲間達が、このしっかり創り込まれた世界でどんな活躍をするのか。ファンタジー好きの方々には、ぜひとも見届けていただきたいです。

愛のない父の元を飛び出し、それまで築いた未来も、名も捨てた。
エルスト・ターナーは、１７歳の少女ながら、傭兵の小部隊の指揮官。
二つ名は,疾風のルスト,。
彼女の夢は、人々を守る立派な兵士になること。
部下は百戦錬磨のおっさん達。
敵は謀略も大軍も使う、侵略の大国。

つらい過去を持つ少女指揮官が、さらに過酷な今に立ち向かう。
戦杖を振るい、知恵を沸き立たせ、隊を率い、気弱になった人を励まし。
ルストの決意は、希望の疾風となるのか！？
「少女海賊ユーリ」や、「シェーラ姫の冒険」に夢中になった人は必見です。

女だから、子供だから、年下だからと、現代社会でも見下されたり、軽んじられる事は避けられない。
この作品は、無意識にですらバイアスを掛けられてしまう貴方におすすめしたい作品である。

主人公は、ルスト。
齢、17歳にて小隊長。
負けん気が強く、誰が相手でも絶対に引く事はない。

彼女は、とある出来事を切欠に"旋風"の名を二つ名として得た。

それを切欠に彼女の運命は、大きな勢力を巻き込む大きな事態へと回りだすーー

次は何が起きるのだろう、と更新を楽しみにしていた作品。

そして、この小説を読んでいると、男だからなんだというのだ。年下だからなんだというのだ。若いからなんだというのだ。

己に降りかかる困難を己が力で切り開いていく彼女の姿を見ていると、そういった気持ちが湧いてくるのだ。

日常において、少しでもモヤッとした気持ちを抱く貴方にオススメです。

本作品において刮目すべきは、しっかりとした世界設定と、戦闘シーンの描写の妙である。
そこに主人公・ルストの魅力が加わり、作品全体の質を高めている。
流行りのワードを使えばいいというなろう作家の多い昨今、これほど地に足のついたファンタジーは少ないのではないだろうか。
中でも一番の見どころは、ルストの決闘シーンである。手袋を投げつけることを決闘の申し込みとするのは、現実世界でも古来あった定石である。ルストは自分を見下した部下に手袋を投げつけ、華麗な立ち回りを披露して見事に勝ちを納める。その場面さけでも必見である。

勝利した彼女は宣言する。二つ名を。
「旋風のルスト」と。