イチオシレビュー一覧

　しょうもない駄洒落を思いつくなり、世間に公表しないでいる事に、もうそわそわして勝手にいたたまれなくなってしまうほどの年頃……それを、

　「不惑」という……（どういう入りなの

　そんな迷いまくり人生なレビュー者とは異なり、

　治安会のビッグダディこと、ライアン・ミウラは、惑わざること山の如く、天命知ること風の如しなのである……（どういうことだろう

　組織の精神的支柱として、「息子」や「娘」たちの時に盾となり、時に進むべき道を促し考えさせる標となる。

　無秩序で、無欠に思えた治安会の面々が、彼の前では素の自分をさらけ出すのは、

　彼が、自らの背中を安心して預けられる、精神の根っこの所でのバディである事を、誰もが脊髄あたりで感じているからに他ならない。

　今日も彼は、彼らの無防備な背中を押して、それぞれの人生に向かわせるのだ。喪った最愛の人への想いを、常にその巨躯に秘めながら。

主人公はライアン・ミウラ。喫茶店店主。
妻をある事件で亡くし一途に彼女を愛し続ける男。

彼は治安会という内閣直轄の秘密組織に属している。
治安会の面々は個性的だ。
（気になる方は治安会シリーズⅠ～Ⅲを読むべし）

血と硝煙の匂いが似合う悲壮な現場。
出動する彼らを突き動かすのは共有された正義。
組織に所属するが故に一般社会での当たり前の生活・人間関係・愛・すべてを捨てることになったとしても。
ライアン・ミウラは大人の男だ。誰よりも冷静で強くそして優しい。
治安会の特殊性を理解するからこそ、彼らの精神的支柱であろうとする。
今日も愛車のハマーに仲間を乗せ、熱い思いを乗せ走る。
治安会第四シリーズがついに完結。

最後まで読んで、このシリーズの魅力にはまってしまうことをお勧めする。