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前世の記憶で知識チート、内政チート…!?生き残るためには強くなって社会常識を変えていくしかなかったんです。

  • 投稿者: 月野円   [2020年 12月 25日 15時 25分]
数ある異世界転生内政物の中でも屈指の読みやすさと面白さ!

主人公の人生はイージーモードではない。
国内有数の貴族に生まれながら、持って生まれた魔力は平民並み。外見に魔力量が現れ、魔力こそが身分を保証する国で、命に係わるハンデを負っているからこそ、必死に重ねる魔法研究。
その先に見出したのは貴族が安易に使えるからこそ蔑ろにされてきた魔法の公式と前世で培った知識の融合だった。

主人公を不憫に思う家族以外の全てが敵という状況から、教育して人材を育て、発明と交易で領地を富ませ、魔力量だけを基準に見下してきた貴族社会から一目も二目も置かれるようになっていく。

残念なことにこの作品は未だ世にあまり知られていないらしい。
まだ出会っていなかった読者の皆さん、どうか読んでみてください。初期から主人公以外の視点が数回続くのではじめは取っ付きにくいかもしれません。でも読んでみたら判ります!



みんなでやれば、さあどうなる

所謂魔法チート、知識チートではありますが、その理屈が面白い。「割り算を司る闇の神」って素敵じゃないですか。

内政モノは多数ありますが、個人的に面白いと思えるのは各々が役割分担をして、何かを発展させていくというコンセプト。

最初は主人公独りでも、周りの大人たちに見守られて、子供たちを育てていき、それがいつか輪を広げていく。

異世界転生モノで「学校を造る」というお話は多々見かけますが、この小説は学術都市を、そして国際交易都市を作り上げるという、学校、すなわち人材を作り上げていこうというのが楽しめます。

人口100人の田舎町が今後どうなっていくのか、注目です。
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