イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

だってクリスマスなんだもの。見知らぬ子どもたちのために、奇跡を願ったっていいじゃない。それが大人の、サンタの喜びなんだから。

お仕事をしているみなさん、そのお仕事を始める前に持っていた「将来の夢」を今も覚えていますか?「将来の夢」なんて、もうすっかり忘れてしまったというひともいるでしょう。逆に「将来の夢」を覚えているからこそ、現実の自分に苦しんでいるひともいるかもしれませんね。

本作の主人公は、今はサンタをしている元バンドマン。サンタの仕事にやりがいは感じているものの、周囲との落差に時々無性に負け犬感を抱えてしまっています。そんな彼は、クリスマスの夜にとある井戸に迷い込んだ人魚と出会うのですが……。

子どもの頃に描いていた「将来の夢」を叶えることは、おそらくとても難しい。大人になるにつれて、現実の厳しさに打ちのめされ、食べていくために夢を諦めることもあるはずです。

けれど、夢を追いかけていた日々は決して無駄ではない。努力も、喜びも苦しみも、自分を構成する要素のひとつなのだと、そう思わせてくれる物語です。
↑ページトップへ