イチオシレビュー一覧

戦国時代の転生小説では、主人公が現代思考を引きずって"殺人"や"戦争"、"粛清"等の血生臭い事を忌避する傾向にあると感じている。（初期はそれでも違和感ないが）
しかし本作は企業戦士として大成した設定の主人公で、実際に人情を持ちつつも目標達成の為に心を殺して邁進する様が応援したくなるタイプだ。

また、技術的に突飛な事はせず鉄砲や大筒、焙烙玉の運用がメインで、基本的には先物取引や物流を抑えての資本的な優位を作り出して他国を凌駕する経済戦争の側面も多々にあり、実際の戦争はその経済戦略の副産物のような立ち位置かもしれない。

また革新的な茶道で、堺との外交等で一目置かれているのも、当時として外せない茶の湯外交の一面が描写されていて興味深い。
新たに挿絵を作るなど進化も見受けられ、誤った描写を指摘するコメントに対応される点も高評価だ。

史実では無能(最近の研究では違うのかも？)とされる今川氏真に転生した会社役員の主人公。ここから話は始まり、これから起こる事を知る主人公がそれらを回避するべく富国強兵に兵器開発に動き自国を強くする為に奔走します。
出てくる人物も武田信玄、織田信長、上杉謙信、北条氏康、今川義元、太原雪斎など錚々たる面々が出てきます。
さてさて氏真の辿る運命は史実通りになるのか、もしくは歴史を新しく塗り潰すか……乞うご期待！！

高校生でもなく、派遣社員でもなく、一応成功を収めた元一部上場企業役員が戦国武将でかつ文弱な暗君とされる今川氏真に生まれ変わり、その持てる知識を活かして内政チートから天下布武をめざすというものである。
戦国時代の転生物はいろいろあるが、転生者が元会社役員で生まれた環境が戦国最強武将である今川義元の嫡男という最高の環境でどのようにして富国強兵、天下布武に突き進んでいくのか興味がある。ただし、武田信玄、信繁等が好きな人にとっては、あまりよく描かれていないので注意が必要。

駿河大名今川義元の嫡男である幼少の今川氏真に、昭和平成令和と生きた男の記憶が流れ込む所から物語は始まります。

史実では桶狭間で義元を討たれた後に、結果的に生き延びはしたものの、領国を纏め切れずに三河の松平と甲斐の武田に西北から攻められ、大名として止めを刺されてしまいました。

その破滅の未来を知る今川氏真が、どんな行動をして戦国を生き延びて行くのかが見どころです。

戦国が好きで逆行転生に忌避感が無いなら大層楽しめる作品だと思いますよ。

静岡県や愛知県周辺の地図をみて地形を少し頭に入れておけば作品没入感アップで楽しめる事間違いなし。