イチオシレビュー一覧

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読んでいる人の世界と繋がっています!

ただの童話とも違う、ただの小説とも違う。


読者みんなに向けて贈られた、
作者様からの、素敵なギフト。

ゆきちゃん、先輩、16本の色鉛筆たち。

みんなが教えてくれるんです。
そのままの輝きで、鮮やかに活躍してねって。

あなたのいい所は、
ちゃんと知っているんだからね。

いつでも、見てるから。
信じてるから。


そう言ってくれています。


自分の輝きは、誰もが持っている。
それを気づかせてくれます。


どうかこの物語を読んで下さい。
何かが絶対に変わります。

1万4千字に優しさがギュッと詰まった童話

16色の色鉛筆の中で、白はいつまでも使われないまま。
――わたし、なんでここに居るんだろう。

絵を描くことが好きなゆきちゃんは、内気で人とうまく話せず、これといった取柄がありません。
(なんで、ここに居るのかな)

ある日、ゆきちゃんの目にふと白の色鉛筆が飛び込んできました。

(なんで白の色鉛筆ってあるんだろう)
――白のわたしができること。わたしもできること。わたしだからできること。
(ちょっと使ってみようかな)
――使ってみて。きっと上手くいく。ゆきちゃんならきっと気がついてくれる。

ゆきちゃんは発見します。白という色が持つ魅力を。白にしかできないことを。ゆきちゃんにしかできないことを。

1万4千字の小さな小さな童話に込められた、無限大の優しさ。
「泣かないで、ゆきちゃん」
その優しさは、子どもにも、そしてかつて子どもだった大人にも、じんわりと沁み渡るはずです。

色鉛筆のにおいっていいですよね。

  • 投稿者: しろきち   [2020年 02月 26日 16時 43分]
これは、ゆきちゃんと彼女の色鉛筆たちのお話です。

14,000字の物語が教えてくれることは、
ゆきちゃんが泣いている理由と、
泣かないでと言われる理由。
色鉛筆の上手な使い方とその応用のしかたと、その効果。

それだけの作品にレビューがこんなに書かれると思いますか?
私はこの作品を読めてよかったと心から思います。

あなたにもそう思ってもらいたい。

それは、際立つ為の「白」

色鉛筆の中で、使われず鼻つまみものの白鉛筆。

そして、学校でいつも一人のゆきちゃん。

この一本と一人の想いは交差する。

「私に価値はあるのだろうか」

それは誰もが考える命題。だからこそこの物語は、心に響くのかもしれない。

童話として、優しく語られる中で見えてくる何かが、少しずつ心に貯まり、そして最後に炸裂します。

だから、泣かないでゆきちゃん。
白い鉛筆の価値は、きっとヒントがあるはずなのだから。

じんわりと心にくる物語

この物語はとても優しく、とても暖かい話です。

引っ込み思案な少女だったゆきちゃんが幸せになるまでの話ですが、優しい言葉の中に信念のような、一本筋が通っているような、そんな強さも感じます。

そのゆきちゃんの生き方や行動と色鉛筆の白が連動し、物語に深みを増しています。出てくるクラスメイト達も実は色鉛筆に連動しているので、読み込むとさらに面白さが増します。

そこへきての先輩の存在。彼の存在がゆきちゃんを強くしていきます。

穏やかに、緩やかに、だけどジワジワと心に来るこの物語。
童話のような文体ですが、多分、日常に疲れた大人が読むと心が休まる思いにかられると思います。

ゆっくりと堪能したい物語です。

1万4千文字に込められた優しい世界に涙が止まらなくなる。そして最後の1行でまた泣けるのです!

色鉛筆でお絵かきすることが大好きなゆきちゃんは、物語の中で幼稚園児から大人へと成長していきます。
それと同時進行で、童話的な世界観の中で、色鉛筆たちも成長していくのです。

人間界の『ゆき』と、色鉛筆の『しろ』。

両者はそれぞれの世界で、自分自身の存在意義を見いだすことができずに悩みます。
自分なんて何の役にも立たないのではと悲しくなります。

でも、ゆきちゃんと白鉛筆には他には真似のできない強い力があったのです。

それが何であるかは、作品を読んでご自身の目で確かめてください。
きっと感動で涙が止まらなくなるでしょう。
ぜひ、最後の一行まで気を抜くことなく読み終えてください。

ゆきちゃんと色鉛筆の優しい物語

 絵を描くのが好きだけど、内向的で人と話すのが苦手。そんなゆきちゃんと、彼女の持つ色鉛筆を中心としたお話です。

 本作の魅力は、まずなんと言っても色鉛筆ですよね。
 色鉛筆の各色が人格を持っていて話をする様子が度々描かれていきますが、その色鉛筆の「白」の境遇が、成長につれて周囲から孤立していってしまうゆきちゃんとリンクしてキュンと胸を締め付けます。

 そんな中でも、ゆきちゃんの持つ独特な視点、優しさが良いです。

 色鉛筆の各色にそれぞれ役割があるように、人にもそれぞれ得意不得意があって、自分の輝ける場所がある。そんな中、色鉛筆の「白」のようなゆきちゃんは――

 読み終わった時には、心にじんわりと温かさが広がって思わず微笑んでしまいました。素敵で優しい魅力を持った作品です。

 ぜひ一度、みなさんも読んでみてください。
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