イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

でもこのお仕置きは過剰じゃないだろうか!?

  • 投稿者:   [2022年 06月 22日 17時 34分]
あの言葉も、この言葉も、実は……日本生まれではないかもしれない!?

我々日本人はひらがな、カタカナ、漢字と多くの文字を使う生活を送っている。
そして何となく、外国の言葉を日本語として書き表すのに、カタカナを使ったり、ひらがなを使って片言な発言を表現してみたりする。

だが!
漢字を使う言葉にも外来語があることを!
皆さんお忘れではないか~!?

あまりにも自然と使ってしまう言葉、そのルーツについてちょっと……いやものすごく、真剣に考えざるを得なくなった彼ら。
気を付けても気を付けても口が滑ってしまうその姿、面白くて笑うと同時に同情することは間違いない!

あなたならどうだろう。
果たしてこの「世界」で、仏教由来の言葉を使わずにいられるのか!?

女神:「あなたは異世界に転生し」(『アウト―!』)「生まれ変わり超人として復活し私の言葉を」(キリスト:「アウト―!」ニーチェ:「アウトー!」ムハンマド:「アウト!」)女神:「いい加減にして!?」

 異世界言語を真面目に考えるとどうなるか。

 日本語では多くにおいて外来語の訳語は漢語にて処理されている。正義とか哲学などは明治期以降にできた。例として辺境伯は田舎の伯爵ではなく重要拠点を任される貴族である。妾妃は義務が妃並みにある代わりに継承権をも子供が持つ妃ではなくそもそも日本の辞書に載っていない。やまと言葉を漢語に当てはめた例もある。一族を示す姫にヒメとか。よって漢語抜きに我々は生活できない。

 キリスト教は普通人の復活を認めていない。
 転生したら超人になるなどニーチェが殴りに来る。
 神の言葉を伝える預言者を名乗ったり姿を映すとムスリムを敵に回すので『神様に特典貰った』など異端審問される。

 転生も魔王も仏教で用いられる。銃器のない世界にて火蓋を切る程酷くないが異世界にない言葉であり作家(翻訳魔法さん)のストレスは常にマッハ。

 本作を読む際は笑わないようご苦労ください。

質のいい笑える風刺

 本作はいわゆる異世界語に対する的のハズレた批判や指摘を逆手に取って、シンプルな異世界モノのメソッドを用いりつつタイトル通り仏教由来語を発言したら罰が下るルールの元で行わるコメディ小説です。
 前述の通り元が異世界モノのメソッドなので、「何が問題なのか」がはっきり伝わるのでここは笑える! と不安なく笑える感じが質のいい漫才のようで、非常に満足の行く一作でした!
↑ページトップへ