イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く静かなBARと言う空間で広がる人間模様
- 投稿者: 獏琉源視(もるけんじ) [2021年 04月 28日 08時 25分]
まるで新しいカクテルに出会うように
色々な匂い、味、色彩に驚き楽しめる
きっと思い描くBARの形は
読者の数程あるのだろうけれど、
紫煙が立ち上り、
酒や煙の甘い香りが漂う空間で繰り広げられる
魅力的なキャラクター達の織り成す人間模様は
多様な姿を見せてくれる
また皆に会いたいと思わせてくれる
そんな時間を提供してくれるBARです
ゆったりと読み進めたい物語です
色々な匂い、味、色彩に驚き楽しめる
きっと思い描くBARの形は
読者の数程あるのだろうけれど、
紫煙が立ち上り、
酒や煙の甘い香りが漂う空間で繰り広げられる
魅力的なキャラクター達の織り成す人間模様は
多様な姿を見せてくれる
また皆に会いたいと思わせてくれる
そんな時間を提供してくれるBARです
ゆったりと読み進めたい物語です
自由都市の片隅にある看板のないバー『エスメラルダ』を舞台にした物語。
『帝国』と『王国』。
不仲な二つの国に跨る複雑に絡み合った人間模様は、カクテルの数だけ、色を変え、香りを変え、風味を変える。
店主ルピナスの不可思議さが、『エスメラルダ』で起きる問題事、厄介ごとに更なる華を添え、万華鏡のような人間模様を生み出す。
やや、ゆったりとしたペースから始まるこの物語だが、話が進むごとに軽快なスピード感が増し、読者を先へ先へと誘ってくれる。しっかりとした文章で読み疲れもしにくい本作。一話一話も短めなので、隙間時間で読みたいという人にも向いていると思う。
是非ご一読を!
『帝国』と『王国』。
不仲な二つの国に跨る複雑に絡み合った人間模様は、カクテルの数だけ、色を変え、香りを変え、風味を変える。
店主ルピナスの不可思議さが、『エスメラルダ』で起きる問題事、厄介ごとに更なる華を添え、万華鏡のような人間模様を生み出す。
やや、ゆったりとしたペースから始まるこの物語だが、話が進むごとに軽快なスピード感が増し、読者を先へ先へと誘ってくれる。しっかりとした文章で読み疲れもしにくい本作。一話一話も短めなので、隙間時間で読みたいという人にも向いていると思う。
是非ご一読を!
本作は登場人物のやりとりはBARの会話劇に終始し、
物語は大きく動かない、
ある種の日常系ジャンルのテイストを持っている。
ところがこのBARにくる人々は、
BARの外の空気を纏って現れる。
その空気に漂う香りは、
扉の先に壮大な世界があることを確信させる。
そして我々読者はこの空気を感じ、
文字通りに肉体ではなく心を以て、
BARの中で壮大なファンタジーを体感するのである。
物語は大きく動かない、
ある種の日常系ジャンルのテイストを持っている。
ところがこのBARにくる人々は、
BARの外の空気を纏って現れる。
その空気に漂う香りは、
扉の先に壮大な世界があることを確信させる。
そして我々読者はこの空気を感じ、
文字通りに肉体ではなく心を以て、
BARの中で壮大なファンタジーを体感するのである。
舞台となるのは、二つの大国に挟まれた自由都市。
ここに、バー・エスメラルダがひっそりとあります。
紹介者の名を伝えることがルールのこの店の客は、
常連とその連れのみ。
それでも、様々な階級の人が集まり、中には訳ありの客も……。
カウンターに立つのは、十代の少女。
彼女は、そつなく、そして用心深く接客をこなしています。
洒落た店内に、粋な会話。
客たちは、酒を酌み交わしながら親交を深めます。
互いに見守りながらも、決して踏み込み過ぎることはない。
素敵な距離感だと思います。
緊張感をはらんだ情勢の中で、このバーはひとときの安らぎを客たちにもたらします。
ですが……。
それで収まらないのが、このお話の魅力でしょう。
これから何が起こるのか?
目が離せません。
ここに、バー・エスメラルダがひっそりとあります。
紹介者の名を伝えることがルールのこの店の客は、
常連とその連れのみ。
それでも、様々な階級の人が集まり、中には訳ありの客も……。
カウンターに立つのは、十代の少女。
彼女は、そつなく、そして用心深く接客をこなしています。
洒落た店内に、粋な会話。
客たちは、酒を酌み交わしながら親交を深めます。
互いに見守りながらも、決して踏み込み過ぎることはない。
素敵な距離感だと思います。
緊張感をはらんだ情勢の中で、このバーはひとときの安らぎを客たちにもたらします。
ですが……。
それで収まらないのが、このお話の魅力でしょう。
これから何が起こるのか?
目が離せません。
BARから広がっていく世界に魅力された。
- 投稿者: 退会済み [2020年 04月 28日 17時 44分]
管理
正直、この物語の景観を損なってしまうかもしれないと思うと、レビューを書こうか迷ったが、間違いなく、疑いようなく、なろうにおいて唯一無二の作品なので、やはり皆に読んでもらいたく、こうして一筆取らせていただくこととする。
なによりも凄いのは、終始BARの中での会話劇を一貫しながら、登場人物の背景や関係、あるいは情感までをしっかり描写し、尚且つ読みやすく、そしてBARの扉の外の世界まで、読者に想起させてしまうところにある。
敢えて見せない魅力とでも言うのだろうか。
なろうの小説は読者の想像力に頼る部分が大きいが、この作品は敢えて、読者に想像させる余地を残し、それがまた粋であるように感じられる。キャラクターたちも洒落と風流を理解していて、自分もBARという同じ空間にいるようで、その場の雰囲気に酔ってしまいそうになる程だった。
言葉では語り尽くせない魅力がある。
是非とも、読んで欲しい。
なによりも凄いのは、終始BARの中での会話劇を一貫しながら、登場人物の背景や関係、あるいは情感までをしっかり描写し、尚且つ読みやすく、そしてBARの扉の外の世界まで、読者に想起させてしまうところにある。
敢えて見せない魅力とでも言うのだろうか。
なろうの小説は読者の想像力に頼る部分が大きいが、この作品は敢えて、読者に想像させる余地を残し、それがまた粋であるように感じられる。キャラクターたちも洒落と風流を理解していて、自分もBARという同じ空間にいるようで、その場の雰囲気に酔ってしまいそうになる程だった。
言葉では語り尽くせない魅力がある。
是非とも、読んで欲しい。
例えば、レビュー冒頭から物凄くズルイ伝え方になるのだが「CITY HUNTER(北条 司)の魅力に酔った者は、この作品の魅力にも酔う」ことは間違いない。
ある作品の素晴らしさを表すのに、他の作品を引き合いに出すなど、本来 失礼極まりない事だ。
そんな力量不足の私がそれでも尚レビューを書こうと考えたのは、この「傑作」に1件のレビューも無い現状に驚きを覚えたからである。
「BAR」という非日常の「場」
そこに入れば、無縁の輩(ともがら)たちと酒を絆に言葉を交わし、ひととき世俗から逃れた思いに浸れる。
だが切っても捨てられないは人の縁。
そこに物語が生まれる。
良い場には、必ず良い「雰囲気」がある。
しかしその「雰囲気の良さ」を狙って文字に変換するのは、並大抵の作業ではない。
それを成している陶守氏の筆力は、豊富な読書量に確かな裏打ちをされたものだ。感服。
ある作品の素晴らしさを表すのに、他の作品を引き合いに出すなど、本来 失礼極まりない事だ。
そんな力量不足の私がそれでも尚レビューを書こうと考えたのは、この「傑作」に1件のレビューも無い現状に驚きを覚えたからである。
「BAR」という非日常の「場」
そこに入れば、無縁の輩(ともがら)たちと酒を絆に言葉を交わし、ひととき世俗から逃れた思いに浸れる。
だが切っても捨てられないは人の縁。
そこに物語が生まれる。
良い場には、必ず良い「雰囲気」がある。
しかしその「雰囲気の良さ」を狙って文字に変換するのは、並大抵の作業ではない。
それを成している陶守氏の筆力は、豊富な読書量に確かな裏打ちをされたものだ。感服。
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