イチオシレビュー一覧

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あなたの大好きな人の部分が全て失われても……あなたはその人を愛したままでいられますか?

 突然ですが、あなたには大好きな人はいますか?
 もしいるとするなら、あなたはその人のどこを愛していますか?
 もしもその人から好きな部分が消え失せたとして、それでもあなたは彼・彼女を愛し続けることができますか?


 この小説の主人公は、付き合い始めて一ヶ月の彼女・エリコと『それでも彼女を愛せますか?』という番組にカップルで出演して
いました。
 彼女が秘密を明かし、アナウンサーの『それでも彼女を愛せますか?』という問いに彼氏が答えるという内容。
 そしてエリコも主人公に自分の秘密を言っていくのですが、その結果、彼女はどんどん『エリコ』じゃなくなっていって……?

 『愛する』ということに関し、深く考えさせられる作品です。
 面白いのでぜひ、ご一読ください!

2045年人間は○○に恋をするのか?

  • 投稿者: なこ   [2021年 11月 04日 21時 04分 ()]
なぁんだBLか!って一瞬思ったんです。まあ、浅はかな読者の期待はいい意味で外れるんですよ、序盤から。

さて、ここからは受け売りですが…。恋も愛も、性欲に乗っ取られた脳が起こす錯覚でバグです!だいたい3年経てば落ち着きます。「この人じゃなくて別の人を選んだらよかったな」と思ってる人もたくさんいると思います。価値観は変わります。
幼い頃に好きだったものを今でも好きですか?
もし好きなままなら、それは素敵なことです!大抵の人は価値観が変わり、今あるものでは満足できなくなります。本当は相手を変えるよりもまず、自分の考え方を変えることが大切なんです。
「この人(物)を選んでよかった」と良い錯覚をすることでしか、幸せを感じることはできません。もしあなたが大切だと思うことがあるなら、自分を信じてください。
それがたとえ○○だとしても、そこに愛が(一方通行だとしても)あるのです。

渦巻くフェイクに翻弄されながら、彼の愛はどこへ向かうのか!?

  • 投稿者: 名木雪乃   [2020年 02月 22日 12時 43分]
主人公の石澤くんと彼女エリコさんは、恋人になって一ヶ月。巨乳で可愛らしい彼女にベタ惚れの石澤くん。そんな中、彼女の誘いで、相手に自分の秘密を告白する「それでも彼女を愛せますか?」というテレビ番組にふたりで出演します。

番組収録中、彼女自身の告白で、驚くような秘密が次々明らかになっていきます。

想像してみても先に読み進んでも、あれも、これも、嘘? 本当? 自分の愛している彼女の様々な好ましい要素はフェイク!? それらの要素は、すべてまさかの……。
彼女の真実は、実体は、どこにあるのか、宙に浮いてしまった彼の愛はどこに向かうのか。最後の最後まで予想がつきません。

私たちは、相手のどこを好きになって恋愛になるのか、考えさせられるお話です。冒頭から読者を引き込み、最後まで一気に読ませる巧みなストーリーは、読み応え満点です。

皆さまも、石澤くんと共に『エリコ』さんに翻弄されてみませんか。

「その人」って何が「その人」なんだろう?

「その人は、どこまでがその人なのか」
を、考えさせられました。

例えば、身近な人の外見が別人に変わっても受け入れられるのかとか、その人を構成するものが嘘だったらとか、そもそも人格とは何なのかとか。

哲学的な面白さと、物語の面白さが楽しめました!

私だったら「嘘をつかれていたこと」に対して、愛せなくなりそうですが、これまた「愛」とは何なのでしょうね?

『世にも奇妙な物語』を思わせられる。恐ろしく、そして奇妙な物語。彼女の全てがバラバラになったとき、それでも彼女を愛せますか?

突然ですが、あなたの好きな人の”好きな部分”を思いつくだけ思い浮かべてください。

顔、髪、目、鼻、口、耳、声、腕、手、胸、腰、足、匂い、仕草、趣味、運動能力、教養、性格、容姿、ファッション、言葉遣い、歌声、特技……、etc.etc……。
さて、どれくらい思い浮かびましたか?
では、ここからあなたが好きな部分を一つ一つ外していきましょう!

そしてそのたびに質問をします。
「それでも彼女を愛せますか?」と。

どの段階で、あなたは好きな人を愛せなくなるのだろうか?
どこまでが、好きな人なのだろうか?

好きな人間の全てを分解して、好きな部分を一つ一つ除いたとき、最後には何が残るのか。

そして何をもって、あなたはその人を好きになったのか……。

この小説を読んでいると、私はどうにも『世にも奇妙な物語』を思い出す。
一度読んだら忘れられない、恐ろしく、そして奇妙な物語を、是非味わって欲しい。

読む人によって恋愛小説にもホラー小説にもなってしまうこの小説、作者さまはコメディのつもりで書かれたそうです。

  • 投稿者: さくや   [2017年 03月 12日 14時 05分 ()]
彼女から「私のどこが好き?」と聞かれてこの小説が書けるところが一番コメディな気がします。

キレイな髪だね
「これ、ウィッグ。お気に入りなの」

センスいいね。似合ってるよ
「この服着るためにDカップのパット詰めてるの」

「ねえ、私のどこが好き?」
少なくとも髪型やスタイルではないから安心してください。

という愛の物語から始まり、次々と明かされる彼女の秘密に呆然、なんでそこまで!と突っ込まずにはいられないのだけど、それでも彼は彼女が好きなようで。

好きになるのに理由なんて必要ないよね、というプチ哲学気分を楽しんでたら、まだどんでん返しが!

この小説のジャンルやいかに、というところまで楽しめる御馳走小説です。
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