イチオシレビュー一覧

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いつか思い出して微笑むような

 人の感情を揺さぶるのは、決して素晴らしい言葉や感動的な出来事ばかりではない。
異質や異常、興味や恐怖からだっていくらでも心は揺れ動く。
それが良い結果になるか、悪い結果になるかは受け手次第だ。

 そうして主人公の心は揺れ動いていく。
読み終わった時にまず思ったのは、本作の登場人物達は皆善人なのだろうと言う事だ。
それをまず断言したい気持ちに駆られた。

 主人公の心にはまだ、青い空のような色も、赤い情熱のような色も芽生えきっていないであろう。
そんな彼から見て、灰色がかっている図書館の不思議は色んな意味で衝撃だったのだろう。
だからこそやはり主人公にとって、物語にとって図書館の彼は必要な存在なのだと感じた。

 本作が不思議な物語だという印象は確かにある。
だが丁寧に書かれた文章も物語の構成もしっかりしていて何より読みやすい。
何よりもやはり、本作には善人しかいない。
そう強く感じた。

なんだか不思議な気分

私立の中学よりも友人との生活を選んで、みんなでハッピーエンドの大団円。

のはずなのに、なぜかもやもやする。
作中に出てくる謎のおじざん。
最初から最後まで意味不明で、悪い人ではないんだろうけど何を考えているのがまったくわからない。

主人公はおじさんの行動に自分なりにアプローチすることで色々な反応を引き出しますが、さらにわからなくなる。
なんとも不思議な気持ち。

面白いのか、つまらないのか、それすらもどうでもよくて、このおじさんはなんだろうという不思議なもやもやが読後に残ります。

うーん……
妙な気分。
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