イチオシレビュー一覧

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本来排除されるべき感情が論理に加わったら……

  • 投稿者: 源平氏   [2020年 05月 07日 20時 57分]
 論理パズルというものをご存じでしょうか? 
 正直者と嘘つきの識別、川渡り問題、重さの違うコインの判別、etc...

 厳格なルールの中で、論理的にただ一つの正解を問う問題、それが論理パズル。

 ですが、そこにほんの一握りの殺意が加わったら。パズルの登場人物に自由意志が宿ったら。はたして正解は正解たり得るのでしょうか。

 パズルを題材にした世界で引き起こされる新感覚ミステリー、それがこの作品です。

 各話完結の全27話。問題を解かなくても楽しめるのでサクサク気軽に楽しめます。

 少し不思議な論理と殺意の世界を、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか?

驚きと、読み応えと、インタレストと、それ以上にあふれる情緒

  • 投稿者: 西川 旭   [2020年 05月 07日 07時 03分]
全話読み終えたのでレビューを書こうと思います。
誰もが一度は目にしたことがありそうな論理クイズを題材にして、それを作者さまなりに味付けした短編連作。
各話ごとに話の描写テイストに変化をつけており、それが読者を飽きさせないでドンドン読ませる力になっています。
一つ一つの題材はなじみ深いものでありますが、改めて真面目に読んで考えると「ああそういうことだったのか」と理解を助けてくれる教材になってくれます。
そして同時に「そう言う考え方や切り口もあるかあ」と新鮮な驚きをもたらしてくれます。
堅くクールな話もあれば、どこか力が抜けてユニークさが前面に出る話もある。
論理パズルというジャンルを軸にしながらも、一つの枠にとらわれないバラエティ性と自由度がこの作品の最大の特徴ではないでしょうか。

一味違ったもの読み応えのある作品を、それでも気軽に楽しみたいと思ったそこのあなた。
この作品はマストですよ。

有名パズルがリアルに触れる時

  • 投稿者: 竜世界   [2020年 04月 27日 20時 58分]
 群像劇的側面が強いせいか、各話に登場するキャラたちは無個性になりがち……しかしそんな平凡なキャラたちが『殺意』に染まる瞬間とその結末……それが本作の醍醐味と言えるでしょう。

 元ネタではクイズの問題文の為に存在するだけでしかなかったキャストが本作では自我を持ち、考え行動し、その中に思惑を抱き『殺意』に発展する者も……

 問題文の中では起こり得なかった要素が実生活のある世界に引きずり出される事によって確固たるパズルの内容は生々しいまでに変容し、この作品の持ち味となる。

 現段階での最新話16話まで読み終えましたので個人的に面白いと思った話数を幾つか挙げ、レビューを締め括ろうと思います。

 1話――色々巧妙。6話――まさに選択問題。15話――いいですねこれ。
 7話――シュレーディンガーの猫で賞……では無く、短編として読み応えバッチリ。

論理パズルを論理的に解かないためのトリック

  • 投稿者: 幸田遥   [2020年 04月 27日 04時 27分]
誰もが一度は聞いたことのある、馴染みのある論理パズルが題材です。
一話完結型で、隙間時間に簡単に読めるのが最大の利点です。
自分が知っているパズルの話だけでも、読んでみてはいかがでしょう?

どの話も、起承転結がしっかりしており、論理パズルの論理をうまく利用した巧みなトリックに、なるほどとクスッとなるものばかりです。
もちろん、論理パズルを論理的に解かなくても、楽しめます。

私も、あっという間に全話読み切り、最新話に追いついてしまいました。

新感覚のミステリー作品はいかがですか?

  • 投稿者: mao   [2020年 04月 23日 21時 45分]
 ミステリー、推理モノと言うと小難しい話だったり、あれだこれだと情報が出てきて頭がこんがらがってしまう……そんな人もわりと多いのではないでしょうか。
 しかし、こちらの作品は少しばかり変わっておりまして、一話完結型のミステリーとなっております。ゲームのような感覚で楽しめるので、結末がどうなるのか想像しながら読んでみるとより一層楽しさも増すのではないでしょうか。サクサクと読めるのも、この作品の面白さをこれでもかと言うほどに引き出していると思います。

 堅苦しさもなく、時にメルヘンチックだったり、時に人の負の部分が描かれていたり、また時には思わずフフッてなってしまうようなお話もあって読んでいて飽きがきません。
 推理モノやミステリー作品がお好きな人も、あまり読んだことがない人にもオススメしたい作品です。
 ぜひ、この機会にいかがでしょうか?

なぞなぞの世界でミステリー

論理パズル。それは論理で謎を解き明かす思考実験。
その論理パズルを題材にして、見事なミステリーへと仕立て上げているのが本作だ。

一話完結で読むのに十分とかからない文量ながら、その内には謎があり、解説があり、あっと驚くオチがある。図が添えられ状況把握が容易なのも特徴である。

ミステリー作品は得てして情報量が多くなりがちだが、主題が論理パズルとなる本作はとてもシンプル。
条件付けられた問題の解決へ向け、少ない登場人物たちが童話のように動くのだ。

もしあなたが小さい頃、なぞなぞを解くことが好きだったなら、どの部分でも良いから読んでみるべきだ。
その時あなたは童心に返り、童話を楽しむように良質なミステリーを体験できるだろう。
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