イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

凍てつく寒さを備えた・・・・・ドライな短編であり男のハーレークィーン

先ずこの本は「なんでも屋ローランド」へようこそ」の短編集である。

本編のような面白可笑しい描写を期待しているならそれは違うと言わざる得ない。

確かに、面白おかしい・・・笑いを誘う所もある。

しかし私が感じたのは・・・・氷のようなドライな文章であり描写だ。

本編では語られる事のない主人公の過去などが書かれているのも理由ではある。

だが、それ以上に二度も言ってくどいが、氷のように冷たい文章と描写だ。

例を上げるならパパ・ヘミングウェイの短編集だ。

作者は温和な性格とお見受けする。

所が、ここではそんな物は微塵も感じさせない程にドライだ。

言うなればハードボイルドだ。

ハードボイルドは「男のハーレークィーン」と揶揄されるが、これを読めば読者もその揶揄に納得せざる得ないだろう。

だが、それで良いのだ。

これは男のハーレークィーンなのだから。
↑ページトップへ