イチオシレビュー一覧

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絡み合った糸の解き方を体験しろ

シリーズ第3弾

あらゆる発言や考えを疑って読み進めて下さい
そしてあらゆる人物を信じててください、きっと、上手くいきます

本作は様々な人物の思惑が絡み合って謎という塊があります
読み進めると徐々に塊が解ける(偶に大きくなる)
そして読了した時には塊はなく糸になってるでしょう
2度3度と読み返したくなる、そんなシナリオです
設定資料集とか単語集欲しい

それぞれの思惑や感情で行動し、嘘や思い違い等がとても多いです、ある程度主人公が後で解明してくれますが読者がその時々で考えるのが1番楽しい読み方かと

シュタゲの伏線回収を気持ちいいと感じた人なら是非読んで気持ち良くなって(別タイトル出して申し訳ない)

記憶と心に残る作品

最初は主人公と死刑囚の出会いや、その後の展開に強引な部分を感じたり、細かいところで違和感を感じたりするかもしれません。しかしそれらは全て、ご都合主義やツギハギの物語ゆえのものでは決してないのです。読み進めればこの物語がいかに多くの伏線をばら撒きながら進行し、かつそれを綺麗に回収するのか目の当たりにするでしょう。

この作品は「死刑囚」とは何者で、如何様にして今の状況があるのかという謎が、章毎に「怪異」や主人公の過去などを通して明らかになっていきます。

とにかく作中では謎が多いのでそれを解き明かそうとしながら読むことをおすすめします。






ずっとこんな作品が読みたかった!!

死刑囚との出会いを発端に、恋人との時間、謎、過去の記憶が三方向に広がっていく。序盤は客観的大罪と正義感との葛藤、倫理観の危機からくる疑念、鬱屈とした日常が描写されていて、恋人に耽溺していきながらも、その意志とは裏腹に…というもどかしさが魅力的
怪異や異常現象を相手取った戦いもおもしろい。戦いとは言っても殴り合いではなく、情報を集め人を頼り、経験頼りに一縷の望みに全てを託す。危なげながら、道理の通じない敵に対し最善手を狙いに行くような感じ

いきなり点と点が結ばれだしたり、寧ろ謎が増えもする
信頼すべき事実は二歩先を照らす懐中電灯のようなものに過ぎず、気を抜いていると一歩先の落とし穴に吸い込まれていきそう
そんなぼんやりとした不安感も本作の魅力

主人公にとっての過去はどういう存在か。その上で、"今"はどういう存在か。そういったことを考えながら読んでみてほしいなと思います
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