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▽レビューを書く「幸福を呼ぶビーズ細工」が有名になってしまったアクセサリー作家の時さんと幼馴染のはじめを中心とする現代劇です。文章はひとつ一つの綺麗なビーズが繋ぐような、綺麗な丸い色をしています。
アクセサリーが丁寧に作られていく描写が見所なのはもちろんとして、依頼人たちが「幸福を呼ぶビーズ細工」を起点として、少しづつ前を向いたり、進んだりしていく様が圧巻です。
余談ですが、私は時さんがはじめと二人になった時の、地がでる感じがものすごく好きです。
この二人の関係性もどうなっていくか。一つのアクセサリーが作られていくような様を、見守っていきたいです。
7話まで読ませていただきました。
丁度、盛夏の盛りなので、仕事前に一話ずつといった感じで読み進んでいたのですが、これがどうにも清涼で楽しく、読み終えてしまって続きが楽しみです。
何気ないように見える日常の細部の組み合わせが、主人公の「時」さんのリアルな心と毎日を浮かび上がらせ、それが様々な人々の姿を明瞭にします。
お客さんたちはそれぞれ、幸運を呼ぶとされる時さんのビーズ細工を求めてくるわけですが、人によりビーズ細工に求めるものは違い、その形がはっきりしない何かが美しいビーズ細工で何らかの意味を感じさせる形になって行くのがまた秀逸だと思いました。
先が楽しみな伏線も感じられ、続きが待ち遠しいです。読みやすく、心清涼になる一作です。
丁度、盛夏の盛りなので、仕事前に一話ずつといった感じで読み進んでいたのですが、これがどうにも清涼で楽しく、読み終えてしまって続きが楽しみです。
何気ないように見える日常の細部の組み合わせが、主人公の「時」さんのリアルな心と毎日を浮かび上がらせ、それが様々な人々の姿を明瞭にします。
お客さんたちはそれぞれ、幸運を呼ぶとされる時さんのビーズ細工を求めてくるわけですが、人によりビーズ細工に求めるものは違い、その形がはっきりしない何かが美しいビーズ細工で何らかの意味を感じさせる形になって行くのがまた秀逸だと思いました。
先が楽しみな伏線も感じられ、続きが待ち遠しいです。読みやすく、心清涼になる一作です。
現代劇に於けるディティールの重要性
- 投稿者: 妹小路ヘルヴェティカ [2020年 08月 25日 15時 10分]
7/7まで読了したのですが……
なんというか、現代劇に於けるディティールを考えさせられましたね。
テキストに於けるディティールといえば、やっぱり単語だと思います。
何気ない単語であっても、そこから派生するイメージ、雰囲気は、特に現代文に於いては、読者の脳内映像を組み立てる上で重要な要素なのだな、と実感させられました。
その辺を勉強したいという方(現代劇を描いている方)には、一読の価値があると思いますよ?
固有名詞であったり、普遍的な情景を表すものでも
(特に現代劇では)単語から連想されるものの力は侮れないな、と実感できると思います。
なんというか、現代劇に於けるディティールを考えさせられましたね。
テキストに於けるディティールといえば、やっぱり単語だと思います。
何気ない単語であっても、そこから派生するイメージ、雰囲気は、特に現代文に於いては、読者の脳内映像を組み立てる上で重要な要素なのだな、と実感させられました。
その辺を勉強したいという方(現代劇を描いている方)には、一読の価値があると思いますよ?
固有名詞であったり、普遍的な情景を表すものでも
(特に現代劇では)単語から連想されるものの力は侮れないな、と実感できると思います。
幸福を呼ぶビーズ細工の噂に振り回されつつも、訪れた依頼者を想い願いを込めて製作した依頼品が人の心を動かしていく人間ドラマにのめり込んでしまう。
ビーズ細工を通して依頼者の心のもやが晴れていくのはビーズの不思議な力じゃなく依頼者とビーズ細工に込める、時の想いと寄り添う気持ちなのだと分かる。それが結果として『幸福を呼ぶビーズ細工』が肯定されていくのもおもしろい。
ストーリーは1話完結式でとても読みやすいです。
読み始めたら最後、あなたは時とはじめのいるブティック『time』にまた訪れてしまうに違いない。
ビーズ細工を通して依頼者の心のもやが晴れていくのはビーズの不思議な力じゃなく依頼者とビーズ細工に込める、時の想いと寄り添う気持ちなのだと分かる。それが結果として『幸福を呼ぶビーズ細工』が肯定されていくのもおもしろい。
ストーリーは1話完結式でとても読みやすいです。
読み始めたら最後、あなたは時とはじめのいるブティック『time』にまた訪れてしまうに違いない。
『幸せを呼ぶビーズ宝飾』を紡ぐ女主人として評判になってしまった、主人公『時』と『青』のお話です。
誰もが幸せを求めて店の扉を開く物語の中で、
『幸せの形とは?』を静かに問いかけてきます。
幸福、成功、勝利、その結果にはハッキリとした形と得るものがあるのに対して、その道程には確かな形がありません。100%を補償する努力などないのですから、不安になり、心細くなります。
だから人は幸福を呼ぶ、邪を払う、そういったアイテムに魅力を感じるのだと思います。形ある安心のため、あるいは言い訳のため。
情景を心にふわりと置いていくような心地の良い描写、味わい深い装飾品の数々、そしてそこに宿る想い。
午後三時のティータイムに、幸せを呼ぶ『ビーズ宝飾創作茶話』をいかがでしょうか。
誰もが幸せを求めて店の扉を開く物語の中で、
『幸せの形とは?』を静かに問いかけてきます。
幸福、成功、勝利、その結果にはハッキリとした形と得るものがあるのに対して、その道程には確かな形がありません。100%を補償する努力などないのですから、不安になり、心細くなります。
だから人は幸福を呼ぶ、邪を払う、そういったアイテムに魅力を感じるのだと思います。形ある安心のため、あるいは言い訳のため。
情景を心にふわりと置いていくような心地の良い描写、味わい深い装飾品の数々、そしてそこに宿る想い。
午後三時のティータイムに、幸せを呼ぶ『ビーズ宝飾創作茶話』をいかがでしょうか。
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