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自らの生立ち·見てきた物を血肉として、小国の才媛王妃リアは何を目指すのか?

  • 投稿者: だろりん   [2022年 02月 10日 16時 14分 ()]
連載途中(2022年2月)でのレビューです。

時代は中世。
理不尽な戦争により家族を失い、一度は孤児になった少女リアが、同郷の同士と伴に、小国を治める力を手に入れた所から物語は始まります。

自国のみならず、敵対する国の成り立ち、統治者や従属する兵士の個々の心情、戦争及び内政までも丹念に描かれており、こと風景描写に到っては純文学的。
今時の流儀に逆行して、反戦への思いや人の心の弱さ非合理性が所々に散りばめられており、作者の熱い意図を感じる一遍です。

天真爛漫で愛憐の情を持つ王妃リアを慕い、纏まりつつあるヴァレ国。
タイトルになっている「小さな国だった物語」…。
この先ヴァレ国はどんどん大きくなって行くとの憶測ですが、戦争を嫌い人の命を重んじるリアが、どのような手腕でヴァレ国を小国から脱却させるのか、リアが求めていた理想の国家はどの様な物なのか、今後の展開を楽しみにしております。
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