イチオシレビュー一覧

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人生の雲行きはつらい、のち、つらい。

学校を出て社会に出たら、誰だって少なからず不平等さを感じることはあるものです。
そんな誰もが何となく感じたことのある不平等や運の悪さを、この作品の主人公は何の因果か、胸焼けせんばかりにその身に受けていきます。

少しの幸福があったかと思えば、たちまちに襲ってくる帳消しにするかのような転落。塞翁が馬とは言うものの、少しばかりそれがマイナスの方向に針が振り切れている。

短編の最後は、ふっとすぼむような終わり方をするものの、ここまで読んできた読者にはその後の展開すらも気持ちの悪いほどに予想させられてしまう気さえします。
読み終わった今もなお、「つらい」という感覚が離れません。
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