イチオシレビュー一覧

百合が嫌いで絶許な人にはオススメしません。ソフト百合とか友情百合みたいなジャンルなのかそこまでクドくは無いですが、貴族社会を舞台に考えるなら、そうポコポコ百合発生させるのはなぁと感じる面もあります。

が、ストーリーは面白いし引き込まれます。

ただ主人公も周りも人外が集まってて食傷気味にはなります。わりと脳筋気味な所もあって、「あれ？これジャンルなんだっけ？？」と疑問を持ちながらもコミカルな展開も多く読み進める事が出来ました。
なんとなく少年バトル漫画風百合みたいなジャンルのイメージです。

この作品は「主人公が転生したら悪役令嬢になってしまったので全力でフラグ回避してハッピーエンドを目指します」という昨今では珍しくない題材のお話です。
そして主人公が生来の狂暴性を強い意思と鍛練で飼い慣らし肉体言語で円満解決する漢へと成長する物語です。

。。。どういうこと！？

となるでしょうが、ここに勧善懲悪の時代劇が加わり百合が加わり溺愛メイドが加わりシリアスのエッセンスを加えて物語は進行していきます。

。。。え？

と思われた方は一度読んでください。
素晴らしい娯楽作品に仕上がってますから♪

「悪役退屈令嬢」。タイトルからお察しであるが、主人公たるメルツェデスは、額に向う傷を持ち、王から「天下御免」を頂戴した最強の令嬢である。

　一見、一発ネタに見えるかもしれないタイトルだが、物語としてどんどんと世界は変革されていく。

　悪役ふとっちょ令嬢が、マジキチ令嬢が、本来は表に出てこないこれまた悪役令嬢が、さらにはヒロインたる聖女様までもが。

　変わっていく。

　それは、戦闘能力だけにとどまらない。精神も、物語に与える影響力も、彼女たちは堂々と表舞台に立てるだけの、折れない心を有することになる。

　高笑いと共に正義を執行する最強の悪役令嬢と、それを信奉し、自らを高める友人たちの行く先はどこにあるのか。

　今後に期待して。

悪役令嬢物は数知れずありますが、まさかの「こう来たか」でした。天下御免の向こう傷、まさか悪役令嬢の額に現れるとは。

元々はトンデモ系の武道派悪役令嬢。だがそれに転生という要素が加わり、武道派の力を正しい方向へ向ける潮流が生まれます。それが向かった先は……旗本退屈男ならぬ悪役退屈令嬢だったわけです。
最強最悪の悪役令嬢となるはずだった主人公が、拍手喝采の庶民の味方になり、周りの令嬢仲間を巻き込んで歴史を塗り替えていきます。
正義を振りかざしながらも何処か抜けた主人公も魅力的。必読です。