イチオシレビュー一覧

異世界転生でもゲームの世界に転生でもなかった…
胎児や乳幼児に転生でもなく、まさかの第一子出産中の自分自身に転生って…想像の斜め上行き過ぎ〜!!
前世の記憶だけを頼りに、討伐対象にならない人生を望んだダケのハズが…どうしてコウナッタ?!
人生やり直しならRe:ゼロに敵わないかもしれないけど、スバルは出産中の自分に転生は出来ないだろう?
しかし…生き残る為ダケに足搔いてるハズだったのに…

なろうで悪役を主題にして書く物語は、大半が転生悪役令嬢を主人公に置き、その周辺の人物に焦点を徐々に置くことで主人公の劇的な変化や、その素晴らしさというものを描いていきます。

対して本作品は悪役奥様の死に戻りというお話です。普段なろうで悪役令嬢ものを読むとき、テンプレとして存在するのが婚約者(仮)と転生した主人公が初めて顔を合わすシナリオですが、それを大人の視点から主人公以外が見る、というのは非常に新鮮でした。
また、主人公が20歳を少し越えた女性として最も輝く時代から物語がスタートするのも変に子供時代に感情移入させられることがなく、読者のストレスが少ないのではないかなあと思います。
更に、この世界では大人になっても魔法の腕、魔力量が変化することがあるという設定がありました。これは従来のなろう小説にはあまりない設定で、非常に夢があると感じました。主人公の自己強化計画の成果も楽しみです。

　護るべき存在があることで強く（物理＆魔法）なるのは女性でも男性でも一緒なんだよなぁ……（遠い目。

　まさかの出産中への死に戻り。流石の稀代の悪女も、それは吃驚しますよね。
　そして産まれた長男を腕に抱きながら「今度は心を入れ替えよう」と決意する。うん、とても良い心がけだと思います。

　ただその入れ替えた心を持っていく方向性と行動力がとてつもない。未来の発明をこっそり先んじたり、いつか起こりうる軋轢をそっと回避させてみたり。
　何せエレイン夫人は若い頃の肉体を取り戻し、それでいて積み重ねた知識と経験年数は肉体年齢の倍いじょ……（ゲフンゲフン！）

　彼女の快進撃が、これからどんな物語を紡いでいくのか、とてもとても楽しみです。

　――言わずとも、最強（最恐）でしょう。
　見た目はうら若き貴婦人、中身はオバ……（以下自主規制）のエレイン夫人はやってくれます。
　彼女は年喰って、恥じらいも何もなくなった女性ならではの凄まじいバイタリティーを見せつけ、モンス追跡のためには肥料かぶるわ、知恵で開ける門を爆砕してごり押しで通過するわ、もう彼女のやりたい放題。
　この行動力はすでに母親の上位進化種、オバタ………（再度自主規制）でしょう。
　そんな彼女のドーラ婆さんのような彼女の凄まじい行動力に、読んでいて　こちらも元気出てきます！
　これはお勧めです。