イチオシレビュー一覧

「今まで生きてきたあなた自身の価値は年齢で下がったりしない」

そう言ってくれる人と出会えた1%の奇跡はヒロインに最高のハッピーエンドをもたらします。

日々の癒しに素敵な男性が経営するカフェに通う四十歳独身のヒロイン。
男性への想いは恋にまで至らないようなほのかなものだ。
というよりも、これまでの半生、そして現実のリアルと同様に、恋をすること自体にヒロインは半ばあきらめを抱いている。
そういうヒロインの心境が作中の描写からさりげなく、けれど確かに読み手に伝わってくる。

だからヒロインへ感情移入しやすいし話に没入しやすい。
ただの楽観主義ではいられない年代ゆえの負の感情を描きつつも、四十歳ならではのときめき、恋をする過程や加速していく様――どの場面も読む手が止まらない。

そして冒頭のセリフを述べる男性がとにかくかっこいい！
読了後はときめきと幸福感で心が満たされます。

ちゃんと恋ができないまま、カフェのマスターに憧れて通う日々の主人公。
しかしマスターは既婚者で、奥様も同じカフェで働いています。

やるせない思いを抱えて、それでもマスターのその笑顔がみたくて通い続ける日々。

このまま非生産的な恋心を抱えて生きていくかと思いきや、運命を変える出来事。
いつも店にいる黒縁眼鏡の男性は、マスターの奥さんの弟。

それから渡された名刺には、あなたの寂しい思いの相談を受けます。略歴に元ホスト。
訝しいその名刺からこの物語は始まって行きます。

大学を卒業し、社会人になって十八年。

四十歳を迎えた主人公は、時の流れの早さを感じていた。

恋人ができ、結婚して〜〜、と、人生というすごろくのコマを進めていく周囲。

そんな彼女がある日出会ったのは……。

ーーというようなお話になっています。

どことなくリアルな感じが読みやすい作品です。
文章もとても滑らかで良いです。

完結はまだですが、だからこそ、ワクワクドッキンしながら読み進めてゆけるでしょう。

この物語の行く末は一体……！？

ぜひ読んでみて下さい。