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勧善懲悪と其の害悪

  • 投稿者: 丹篠雨音   [2020年 08月 12日 23時 32分]
桃太郎を(少々恣意的だが)要約すると「勧善懲悪という大義名分のもとのジェノサイド」となるが、どうも違和感があるだろう。恐らく子供も頃は誰もがそのように感じる事はなかったはずだ。
話を簡単にしよう、『泣いた赤鬼』で青鬼が怖いから村人が青鬼を処刑したとする。だってあいつ暴れたし。果たしてこれは正当だろうか?

同じ「鬼」のはずなのにどうも我々は扱いを変えたがるみたいだ。桃太郎のジェノサイドは許容するのに青鬼粛清計画は許せない。この作品は『桃太郎』という英雄視された人物は鬼からしたら殺人鬼だというコペルニクス的転回をしている。

我々は桃太郎のジェノサイドは正義だと、一方的な虐殺は正義だと洗脳されていたわけだ。なんとも恐ろしい話である。一体どちらが鬼なんだか…
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