イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

あまりの「一途さ」。「思う心」は奇跡を生むのかもしれません。優し過ぎる「たぬき」の心に触れてみてください。

  • 投稿者: 水渕成分   [2021年 02月 20日 08時 00分]
銘尾友朗様の「冬の煌めき企画」参加作品です。

2万字ちょっとのローファンタジー。文字数が多く感じられる方もおられるかもいませんが、テンポの良さ、適度なストーリーの起伏でとても読みやすいです。

物語の展開は三人称視点。主人公は一匹の「たぬき」です。

この「たぬき」。あまりに「愚直」で「高潔」な魂の持ち主。

今の現実を考えれば「生きにくい」でしょう。実際、若くして死に、転生を繰り返します。

それでもその生き方を変えようとしない。担当の天使が呆れかえるほどに。

そこに現れたのは一人の悪魔。何か思うことがあるようです。「たぬき」の運命やいかに。

ここから先は実際に読んでお確かめください。

あまりの「一途さ」。「思う心」は奇跡を生むのかもしれません。優し過ぎる「たぬき」の心に触れてみてください。

一生懸命で残念なたぬきさんがとにかく可愛い!そんなたぬきさんに段々と感化されていく悪魔さん……さては惚れたね?(にやり)ハッピーエンドです!

  • 投稿者: 砂礫零   [2020年 12月 22日 09時 49分]
そのたぬきさんは、短命です。
何度生まれ変わっても、1年と経たぬうちに犬に襲われたり車にひかれたりしてしまうのです。
どうしてか、っていうと、恩人に贈り物を届けたくて一生懸命になっているから。
何度生まれ変わっても、その人のことは忘れていない。その人にちゃんと食べて、元気に笑っていてほしい。
そんなことしか考えていないので、何度も何度も、その人の所へ行こうとしては、失敗しているのです。
野生なのに野生の本能に欠けた、残念なたぬきです。
今生もまた、ああ…… 失敗してしまったようですよ。

天使が 『いい加減にしろよコラ』 と舌打ちしながら、たぬきの魂を迎えに行きます…… と、悪魔がやってきて 『面倒なら1回くらいこっちにおくれよ』 。

かくして、悪魔と尊い魂を持ったたぬきとの凸凹コンビが誕生するのですが……

たぬきと悪魔の掛け合いが面白く、すいすい読める名作。ぜひご一読ください!
↑ページトップへ