イチオシレビュー一覧

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悪役令嬢と呼ばないで

 大好きな婚約者に平民の愛人ができたらしい。
 破廉恥極まりないので注意し警告する。最近は身分を問わず重用するがそれとは別物だ。
 恋のライバルを追い落とすために裏どりも万全だ。あっちこっちで貴族の子弟に粉をかけているらしい。

「あの娘が誘うのです! 僕に微笑んできたらこりゃ行けると」
「女性をなんだと。大問題なので後で沙汰を下しますから覚悟しなさい!」

 敵の敵を減らしてどうする。

 婚約者を愛しているから、愛妾も認めねばならないのだろうか。

「ねーねー先生先生」

 恋より立場より先生に落第しそうな単位を強請る方が先ではどう転んでも国母にはなれない。だけどだからこそ彼女は魅力的なのだ。

 打算で愛するもの。妥協を探るもの。立場をわきまえてしまうもの。全てをひっくるめて意地悪しつつもお人好し。

 彼女は悪役じゃない。この後発表される幸せな卒業単位の行方をご覧ください。
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