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実写映画化してほしい、なろう発ミステリーの傑作

  • 投稿者: ちぴーた   [2021年 04月 22日 14時 11分]
なろう推理ジャンルの海には深~い海溝があり、その中には数多の光り輝く良作が沈んでいることは最近知ったのですが、こちらの作品はまさに深海の真珠。

「夢の中で見た女性」に会いに行くと言い残して突然姿を消した大学の同級生を追って、導かれるように主人公コンビが絶海の孤島に向かうことになる序盤が巧みで、まるで映画を観ているような感覚になります!

作品を通して散りばめられた伏線の一つひとつが興味深い知見にあふれていて、それらがやがてラストの真相に向かって集約されていくのが圧巻です。
不気味な見立て殺人と、常人には解せないほどの悪意の真相究明がスリリングで、エンターテイメントとしても秀逸。

映画やドラマの原作になったら面白そう!と思える作品です。

プロレベルだし、このミス一位とかでもおかしくないクオリティー

 率直に言います。

 僕は、仮にこの作品が今年のこのミス(本家本元)の1位であっても、少しも驚きません。


 それくらいに、謎の魅力も、トリックの練り具合も、動機の斬新さもヤバいです。語彙力を失うレベルです。

 30万字超えの作品で、登場人物も多いので、読むのに少し集中力がいるかもしれませんが、読む価値はある、というか、読まなければならないと思います。


 首が切られ、首のあるはずの部分に牛頭の剥製を縫い付けられた男性の死体、それと立て続けに発見される、牛の身体に人間の首を縫い付けられた女性の死体。


 作中にも「狂気のパズル」という表現が用いられていますが、ここまで緻密で、かつ完成されたパズルはそうそう見られるものではありません。震えました。

 現状、作品のクオリティーとptがあまりにも比例しておらず、憤りすら感じます。ミステリー好きの方は必読でお願いします。
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