イチオシレビュー一覧

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だからこそ語り部は懸命に懇願する

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 11月 11日 11時 58分 ()]
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レビューは文芸に関する評論の他に「再調査・再検討」という意味を持つ語だ。
後者の要素が強いことを、まず初めにお断りしておく。

筆者は活動最初期に公式企画向けに童話を書いた。
たった53PVという結果に、ひどく落胆したそうだ。

それから9か月後。
ホラー短編を書いた経験からだろうか?
不意に自身2つめとなる童話を投稿した。


名称から解離性障害の一種と思われる存在感消失病。
それを知識不足からではなく(もしくは無意識に)あえて「病」とする。何故、存在感消失「症」ではないのか、「病」であるならどのようなものなのか、2人の少女を追うことで明かされていく。


人の恐怖は多種多様だ。

「誰からも認識されない恐怖」を主題とした小品。
その中で純化され存在感を放つのは、第3の人物。
その表出を感じたとき童話は完成する。

『 こ わ い 』と前置きした者。
それは読者の耳元で囁いている。

体感型ノベルの傑作短編

  • 投稿者: 灰庭論   [2020年 11月 06日 06時 17分]
 まず言いたいのは、このレビューを読まずに本編を読んで頂きたい。それが本作を楽しむ上で最も大事なことだからです。

 驚きの結末を最大限に楽しむためには、どうしても予備知識なしで本編を読んで頂きたいのです。とんでもない経験ができると、お約束いたします。



 読んで頂けたでしょうか?



 これは、ただの読書ではありません。脳が揺さぶられ、心を素手でノックされるような、そんな生々しい恐怖体験が得られます。

 物語に入り込むことはあっても、本の中から腕を引っ張られるような、そんな経験ができるとは思いませんでした。

 また、本作は技巧的であり、アイデアを活かすためにテクニックが駆使されているので、その技術力の高さにも驚かされます。

 読み専の読者様だけではなく、創作をされている作者様にも読んでほしい一遍です。
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