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人の努力を嘲笑わない。簡単なようで難しい話。

  • 投稿者: セパさん   [2021年 02月 24日 20時 36分 ()]
 なろうのランキングで蔓延る【ざまぁ系】【追放系】。ランキングを上記のジャンルが独占していることで、有名ネットニュースとなる事象も発生しました。

 抜粋は避けますが、そこには【ざまぁ系】【追放系】作品に対する〝嘲笑〟が見て取れたのです。中には『筆者必死すぎ草』なんていう、創作者への攻撃もあります。

 努力する人間を嘲笑うのはとても簡単です。そしてタチの悪いことに結構楽しかったりします。

 ……でも待てよ?

 と、このエッセイは伝えてくれます。【ざまぁ系】【追放系】を好んでいる読者や創作者に異を唱える自由は誰にでもあります。心からなろうが好きで、小説が好きで現状を憂いている方も多いでしょう。

 しかしそれがエスカレートして、それこそ〝あなたが〟【追放系】の【頭の悪いテンプレ敵役】になっていませんでしょうか?

 そんなことを考えさせられるエッセイでした。

追放系が大嫌いな人も、追放系が大好きで書きたい人にも価値があると思う

 自分はいわゆる「追放系」、それも「もう遅い」とか「ざまぁ」とかがつく作品に食指が基本的に動かない。

 特に追放した側が一気に失墜して無能化するのとか完全アウト。


 そんな中、「追放系、それも短編のざまぁを見るのが大好き」な作者が「自分で書こうとした」から書ける「追放系の問題点」を書いたのがこの作品。


「自分が好き」だから「全部素晴らしい」じゃない。

「自分が嫌い」だから「欠点しかない」でもない。

「好き嫌い」と「作品の完成度」が違という、ごく当たり前のことを思い出させてくれるいい作品だと思います。
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