イチオシレビュー一覧

タイトルに偽りなく、巨大兵器「に」転生しています。自分の意思で自分を操ることさえできず、どこまでいってもただの兵器です。
SFもの、極寒の世界、人外転生、ヒロインとの文字通り一心同体での戦闘
どれか1つでも気になる人には、絶対にオススメできます。
人間化したり、人間サイズになって自由に行動などということにはならないのも安心です。
基本的にはシリアスなシーンが続きますし、序盤はいわゆる「ストレス展開」と呼ばれる類のものになりますが、世界観を丹念に描写してくれるため読み手を全く飽きさせません。
それに、アリシャやリガなど、魅力的なヒロインが清涼剤的な存在にもなってくれるため、読み進めやすいです。
戦闘も毎回緊張感のある描写なため、スリルを楽しめるはずです。
映画を一本観たような満足感です。素晴らしい作品をありがとうございます。

設定に惹かれて読み始めましたが、設定が真新しいだけの作品ではありませんでした。
文章に乱れはなくスムーズに読み進められます。
設定に無理を感じず、世界観に違和感もない。よく練られていると感じました。
展開はテンポがよく描写不足も感じません。盛り上げ方も巧みです。

主人公は二人。
気がつけば、人間が乗り操作しなければ手も足も動かせない人型生体兵器「巨人」となっていた元人間の男性。
そして、とある理由から復讐に燃える少女。
二人は惨劇を機に精神的な繋がりを得て、五感や思考・感情を共有することになります。
巨人と少女は復讐のため、そして何より巨人は少女を守るため、共に歩み始めます。
過酷な世界における生存競争、巨人同士の躍動感あふれる戦闘、徐々に明らかになっていく謎。
そもそも巨人とは？この世界は一体なんなのか？
巨人と少女の歩む先には一体何が待ち受けているのか？
完結まで目が離せません。

　ちょっとだけクリックして別の世界へダイブしてみませんか？　
　文章もとっつきにくい事もなく、専門用語らしきものが出てきても、きちんと文章内で補足が入ったり、話の流れで「あ、これこうかな」と類推できる要素が語られていたり、すっと頭に入って来る構成になっています。

　そして主人公が魅力的です。

　彼は能天気なのです。憎めないのです。そして、物語のお約束とでもいうのか、これでもかとひどい目にも合うのです！　
　なんてこった！　
　ですが、ちょっとひどすぎるんじゃないですかねえレベルで痛めつけられた彼はそれでも相手の立場を考察し、一定の理解を示します。
　出来た人、なのです。
　出来た人だからこそ、内心の言葉に重みがでるのです。失敗を重く受け止めたり、現状打開を真剣に想ったり、とても人間らしい心の動きがあります。
　そんな主人公と一緒に世界の広がりを堪能してみませんか？