イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

まっさらな雪原に足跡を

  • 投稿者: 歌川 詩季   [2022年 07月 17日 11時 33分 ()]
 夜のうちに雪が降って。せっかく積もったというのに。
 目を覚ませば、もうすでに。せっかちな人や車が。それをかきわけて。踏み荒らし。
 にわかづくりの雪原を、切り拓いて道をつくってしまっている。

 肩を落とすより。
 まだ踏み荒らされていない、まっさらな雪原をさがしてみれば。
 きゅっと音をたてて。あなたの足跡が刻まれるはず。

 白銀の世界をひっぺがして、日常を掘りおこすより。
 日常にかぶさった、御伽噺のような白銀を楽しむことを、失いたくない。


 雪が積もっても。ため息をつくようになってしまったのは、いつからでしょう。
 雪が積もったら。それだけで、雪原に駆け出さずにはいられなかった気持ちを。
 この詩を読んで、思い起こしてみては、と思います。

※雪害に苦しむかたがたへの配慮が足りないレビューでしたら、申し訳ございません。
↑ページトップへ