イチオシレビュー一覧

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ほのぼのが牙をむく

  • 投稿者: みやび   [2021年 03月 17日 20時 03分]
冒頭の「鶴翼の陣にー、ひらけ!」この一言の中に、日常と非日常が詰め込まれています。
そして、この小説を構成する要素はほぼ第一話に詰め込まれています。
おおよそ武器としては考えにくい「椅子」で戦う小学生という異常性。それと反するのどかな食事風景。
主人公は「一人だけ戦えない」「唯一の大人である」担任の先生。その先生が、ご都合主義に「気持ち悪い」と言い続けているのも印象的です。

ご都合主義に反旗を翻しながらご都合主義の恩恵にあずかり、子どもたちと先生は異世界でモンスターに対してはたくましく生き残っていきます。
この「相反する部分」こそがリアリティを生み出し、荒唐無稽な設定と思われがちなこの作品を、地に足が着いた読みやすい謎多きファンタジーとして成立させています。

最近、異世界召喚の謎も解けましたが、きっとこのまま「すっきり」と終わりはしないのだろうなといういい意味での予感がします。

【物語の魅力】全文は感想欄に

ほのぼのしているように見え、計算された世界。子供たちは疑うことなく、自分の感性を信じている。自由な発想が自分たちを救い、仲間も救っていく。椅子一つから産まれる発想もまた自由だ。そして最大の魅力は個性。椅子が持つ力は、椅子そのものにあるわけではなく、個人個人の想いによるもの。つまり椅子は象徴でしかなく、本当は子供たちの想いの結晶なのかもしれない。成長し、団結力が強くなっていく生徒たち。そんな彼らにこの先、待ち受けるものとは何だろうか。主人公視点では、推理も展開されていく。果たして、この世界が彼らを呼んだ目的とは?

是非あなたも、お手に取られてみませんか?
一見ほのぼのだが、メッセージ性が強く、ミステリー部分もあり。
読む手が止まらなくなる物語。おススメです。

イス×小学生の無限の可能性

魔法は想像力っていう設定はよくみます。
が、これはまさかのイスです。椅子を召喚して小学生が戦います。

意味わからないですよね?

でも面白いんです。文章がとにかくうまくて引き込まれます。意味不明なポエム系プロローグがなくて一話目からちゃんと面白いので、騙されたと思ってぜひとりあえず一話目読んでみてください。

”舟を編む” の次に来るのは ”椅子を読む” ! ドヤッ

  • 投稿者: 井上啓二   [2021年 03月 03日 10時 35分 ()]
レビューのタイトルは冗談めかしてはいるが、あながち冗談ではない。

この小説は今、一部で人気が急上昇している。
そして、それも”むべなるかな” と納得してしまうクオリティの高さが、この物語には備わっている。

ジャンルはよくある、”異世界クラス転移もの” なのだが、転移するのは小学一年生の一学級。
主人公はその担任の女の先生。
授かったスキルは、”椅子召喚”。
児童たちは、”椅子”を召喚して、群がりよる魔物たちと戦う。

普通ならこの時点で、荒唐無稽・おふざけがすぎて説得力0である。
しかし、この小説は違う。あるのだ、説得力が。十二分にしっかりと。

嘘だと思われるなら冒頭一話だけでも読んでもらいたい。小説の書き出しに必要なすべての要素が集約された見事な第一話だ。

作者の自由闊達な着眼点と、それを文章に落とし込む見事な筆力に、同じ書き手として羨望を禁じ得ない。

推しの一手の作品である。

一話でいいから読んでみてほしい

「椅子召喚」だけで戦うという発想がバカバカしすぎて(褒め言葉)思わずニヤニヤしながら一話を読んだら続きが気になって気になってしょうがない!

その時に必要な物を空気を読んでドロップするモンスター……など色々と子供達に親切設計な謎システムが気になりすぎる……。

主人公の先生のツッコミも面白い!
そして子供達は子供らしい純粋さで先生の常識を覆して「お、おう……」ってなります笑
子供達のそれぞれの個性を活かしてこれからどんな物語が広がっていくのか……気になります!

物語が一区切り着いたのでレビュー!
応援していますヾ(●´∇`●)ノ

普通の小学生達による異世界無双物語!

小学校一年生の一クラスが先生ごと異世界に召喚され、椅子を使って戦います。
椅子です。学校で使っていた、あの椅子です。
あれを子どもたちが全力で投げつけてモンスター達を倒します。
この時点でもう面白いですよね。

しかしこの作品はコミカルなだけではありません。
キャラクターが生きているんです。
没個性な子なんて一人もいません。みんな違って、それぞれ悩んだりしながら、一生懸命生きているんです。

そしてその子供たちを引率する先生。
こちらもまた悩み、決断し、常に子ども達を思いながら行動します。
唯一の大人。常識のある大人から見た異世界と、子ども達の自由な発想を通してみた異世界の差異。
それもまた、この作品の魅力の一つです。

子ども達は何を見て何を学び、どのような経験をして行くのか。
異世界に召喚された意味とは。何故子ども達が選ばれたのか。

私はこの物語を見守って行こうと思います。
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