イチオシレビュー一覧

私は禁断愛には弱い。特に兄妹の禁断愛には本当に弱い。
そこに来てこの作品。樰永と朧の美麗なる兄妹の葛藤や煩悶を抱えた禁断愛を見せられては、もう白旗を上げるしかない。時は戦国、風雲急を告げる。この荒波の中、どうか二人の一途な想いが成就してほしいと願うのは、私ばかりではないはずだ。
この作品の世界観には日本の戦国時代を彷彿とさせるものと、西欧のそれを彷彿とさせるものが混然一体となっている。ツボを押さえすぎである。
さあ、この華麗かつ絢爛たる戦国禁断絵巻、とくと御覧じろ！

信濃(長野県)出身の武将で幼名は弁丸(べんまる)、本名は信繁(のぶしげ)の真田幸村(さなだ-ゆきむら）の名言たる『恩義を忘れ、私欲を、貪り、人と呼べるか』をパクリレビューを送らせていただくでござる。
この名言は受けた恩義よりも、金や身分などの欲に溺れる者は果たして人と呼べるだろうかという意味です。

禁断の兄妹愛が目標たるこの物語、その愛に邪な気持ちは無いものの、世間的たる論理では許されない。それを王と成りて覆すという暴理。

確かに倫理は守らねばならぬものではある。
だがそれに囚われすぎて、欲とも言えぬ望みさえも抑えつける心構えを持つ事も、人と呼べるのだろうか？

この話はそのようなものとも思えております。
気になった方は是非ともお読みいただきたい