イチオシレビュー一覧

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辿り着いた彼の居場所

  • 投稿者: 宵凪海理   [2023年 08月 27日 20時 30分]
兄姉の結婚などで目出度いながらも出費が続き、家を出る決意をした9歳の少年キリ。
村に来ていた行商人を頼って街で稼ぎ口を見つけようとしたものの……奴隷商に売られそうになって。
文字が読めるキリは直前でそれに気付いて逃走。
冒険者ギルドに登録し、自らの食い扶持を稼ごうとします。
しかしギルドに登録できるのは12歳からとなっていて……彼は年齢を誤魔化して申請したわけです。

キリは知識も経験も乏しいために失敗することもありますが、生来の性格としては真面目な方で。
冒険者は自己責任という風潮があり、先輩たちにも変人が多いんですが……。
そんな彼ら彼女らからの教えを受けて、意欲的に活動して少しずつ成長していくキリを見守りたくなる作品ですね。
どんな障害でも打ち破る勇者の剣が無くても、泥臭かろうと道を切り開くことは出来ると証明してくれます。

こういう作品を待っていた!

  • 投稿者: marlow   [2022年 02月 19日 00時 46分]
やっと見つけれた、読んでいて「またこれかよ!」と思わない作品
ありきたりな転生チートだのハーレムだのもう遅い系だの飽き飽きしてして、10話くらい読んでは萎えて閉じるを繰り返していましたが、本当に久々に先が楽しみで仕方がない作品に出会えました。
私の拙い表現では説明できないですが、読んで損はない作品なのは間違いありません。チート無双が好きな人はダメかもしれませんが…。
この作品に出会えたことに感謝します。ありがとう。

リアルなキャラクターが生きていると感じる作品

  • 投稿者: ハム   [2022年 02月 11日 18時 21分]
キャラクターが生きてると言われる作品は多くありますが、大体の場合は魅力的な『アニメ』キャラクターです。
そんな作品が多い中、この作品は心理描写が少ないのにも関わらず、リアルな心理描写を感じられ、ジャンルこそハイファンタジーとなっていますが、むしろファンタジー世界のヒューマンドラマとでも言えるほど人物描写がよく出来た作品となってきます。

スカッとする派手な冒険活劇をお望みの方にはオススメ出来ませんが、腰を据えてコーヒー片手にしっとりと活字を楽しみたい方であればしっかり楽しめる作品です。

駄目な大人に囲まれながらチートなしの主人公が冒険者への道を進む名作です

9歳で家をでた少年の物語です
異世界転生ものではないのでチートがありません
しかしカンがよく、決断が早い
奴隷商の文字だけであっという間につれてきた行商から逃げ出します
この主人公、日本どころかアメリカでもやっていけそうです
作品はあっという間に100話まで行きました、
が主人公はまだ9歳、実際の経過時間は1ヶ月足らず
なんというのんびりモードだとあきれましたが
案外青年期まで飽きることなく読破できるかもしれません
なぜなら文章に力があります、そこらへんからコピーした文書ではないのがすごいです
駄目な大人に囲まれながらチートなしの主人公が冒険者への道を進む名作です
等身大の少年による異世界冒険ものと高い評価をあげます
今の日本人こそこういう作品を読むべきです

泥臭いリアルな冒険譚

コツコツと成長するのがお好きなら
この物語はオススメできます
スルメイカのように。噛みしめる面白さです

チートなし。弱い中で足掻きつつ
どうにか生きている物語です

楽しさを損ないすぎるほど不自由ではなく
かといって目が輝くほどの力はなく
ただ本当に噛みしめるような面白さです

一番の良さは人物描写でしょう
良くも悪くも変人。根っからの悪人はあまりいません
かといって根っからの善人もいません

だからこそ良い。面白いです
チートにも良さはありますが、少し飽きたのならいかがでしょうか。悪くない思いは出来るかと

ゴブリンにさえ苦戦する冒険譚にロマンはあるのか?

この作品は、少し知恵が回る程度の幼い主人公が、冒険者としてコツコツ成長する様子を描いている。これは俺tueee系の作品が跋扈する「小説家になろう」においては異質である。

もちろん記憶を辿ればこの系譜の作品もあるにはあるし、何なら総合ポイント6桁で書籍化されるほどの良作もある。

一方で単になろうテンプレ作品の逆張りに過ぎず、面白いかと問われると首を傾げる作品も多い。

この作品は言うまでもなく前者だ。

まず、等身大な主人公が死と隣り合わせの冒険者家業に身をやつし、時にギルドの先輩に教えを請いながら、後輩とぶつかりながら確かな成長を丁寧に描き出す様は読んでいて心地良い。

そして冒険に出ると、ファンタジー作品において最弱を誇るゴブリンに何度も命を脅かされる。大成する夢さえ望む余裕は無い。にも関わらず「冒険とはロマンである」、そう思わせるだけの説得力がこの作品にはある。
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