イチオシレビュー一覧

バッドエンド? ビターエンド? それとも……あなたの解釈は。

  • 投稿者: 鳳仙花   [2021年 04月 18日 21時 15分]
詩のように進んで行く文面。

踊るように流麗な文言。

水面に、たゆたうハープの旋律。

それらは読み手を幻想へ誘う。

精霊達の囁きはリフレイン繰り返し。

純粋ゆえに無垢な疑問。尽きぬ興味。

明らかに人とは違うその在り方。

罪深さを見出したのは人いう勝手な生き物。

先人はソレをタブーという形で蓋をした。

精霊達に悪意はなく、ただ決まり事を口にするのみ。

通常、タブーを破るお話に碌な結末は訪れない。

一見すると悲しい結末。

だが、この結末は本当に悲しいだけなのだろうか。

意味は無かったのか。

誓いを破った×××は幸せではなかったのだろうか。

人間側が後悔しようとも、良き思い出と勝手に割り切ろうとも。

そんなものは無関係。この幻想は続いてゆく。

この結末の真意を決めるのは、あなた自身。

しかして、そんなあなたすらも置き去りに。

精霊達はただ美しく在り続ける。

ローレライとは逆の物語

  • 投稿者: 退会済み   [2021年 04月 02日 08時 19分]
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川に住んで人を誘い込む妖精、ローレライ、あるいは、セイレーンなど、異界の妖精には、この世の人間を傷つけ、命を奪う、けしからん存在がいるらしいが、この物語は、それとは逆の存在であり、ただ愛らしく森の中を舞っているだけの、とても平和主義な妖精である。しかし、美しさというものは罪なものであり、妖精達の美しさが、人間の心を虜にして……悲劇を生み出すのである。

本作、それほど長いものではないので、すぐに読めますのでファンタジックな、妖精物語の雰囲気に浸りたいけど、時間のない方など、是非、お読みください。
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