イチオシレビュー一覧

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童話の様な、児童文学の様な歴史ロマン

  • 投稿者: 月江堂   [2022年 05月 28日 19時 41分]
 ノルウェー北部にて、魔女狩りを中心に繰り広げられる歴史ロマン。

 悪役ではあるもののどことなく間抜けで憎めないヘルゲ男爵とドロテア夫人を中心に最初のストーリーは進んでいくが、やがて200年前のマウリッツ城周辺の人間、歴史ドラマが展開されていきます。

 複雑で遠大な物語ですが、登場人物のコミカルさと、リズミカルで読みやすい文章ですいすい読めます。
 この部分が児童文学の様で、ストレスフリーに文章が入ってきます。

 ただ、中盤に入って過去の話とリンクしてくると、現在の登場人物と過去の祖先が同じ名前だったりするので、それが分かりやすいような分かりにくい様な。

 WEB上の「童話」。この呼び方が一番しっくりくる。

  • 投稿者: Y.T   [2021年 12月 02日 15時 41分]
 僕は子供の頃、色々な本を読んだりしていました。
 漫画。エログロバイオレンス小説。笑
 明治、大正、昭和の文芸作品。
 あとは、ホームズみたいな子供向けに翻訳されたミステリーとか、ルパンとかロビンソンクルーソーとかの冒険活劇も読みましたね。
 あとは子供が読んじゃいけない方のグリム童話とか。笑

 で、レビュータイトルの童話は、もちろんそういう意味で書いたわけではなくて、この作品のセリフ回しが僕に、小学2年生の時に読んだ「トムソーヤの冒険」を思い出させてくれました。

 いや、内容は全然違いますよ。
 この作品の主題は北欧の「魔女狩り」。
 ただ、雰囲気がね。そっくりなんですよ。

 そしてこの作者さん。元デザイナーさんだったそうです。
 だから物語の所々に散りばめられこだわりが、とってもオシャレ。

 いや〜。WEB小説って本当に良いものですよね〜。
 

個性的な人々の織りなす重厚な歴史物語

 中世の北欧を舞台に、権力者たちの理不尽な欲や過酷な自然に立ち向かいながら懸命に生きていた人々の姿に胸を打たれます。
 重厚な物語でありながら、個性的なキャラクターたちと、軽妙でほどよくユーモアを交えた文章で、読書慣れしていない人でも読みやすいのもお勧めポイントですね。
要所要所に挿入された挿絵がまた芸術的で、作品への没入感を倍増させてくれます。
文章も挿絵も、しっかりと時代考証されている作品なので中世北欧の雰囲気を知りたい、学びたいという人にもお勧めできます。

ユーモラスなキャラクターたちが織り成すタペストリー

  • 投稿者: 石猫錯理   [2021年 10月 27日 15時 11分 ()]
 舞台はノルウェーの北東バルデ
 この国の王フレデリック4世が地獄の控えと呼ぶ極寒の地
 目に見えて来る様にリアルな自然の描写が美しく
 何処か憎めないコミカルな登場人物たちの
 先祖から繋がる血縁の歴史が繰り広げられて行きます

 マウリッツの城、イブレート、ネネツの民、エスキモー、
 海賊、イッカク、お宝、ちらばめられるパワーワードが
 夢を掻き立てます

 欲望が渦巻く人々の思惑と血縁の歴史が
 横糸と縦糸で織り成すタペストリーの様に絡み合い
 謎が溶けると、また次の謎が生まれ
 読めば読む程に面白く惹き付けられ
 気付けばきっと貴方をこの世界の住人にしてしまいます

 壮大なスケールで描かれる北欧の物語
 是非読んで見て欲しい長編作品です

 処々に散りばめられた童様が描かれた
 美しくも楽しい挿し絵も見処の一つです

おもしろい!読みやすい!泣ける!

  • 投稿者: さがを   [2021年 09月 17日 21時 56分]
本当におもしろいです!中世ヨーロッパがお好きな方にはぜひご一読いただきたい!設定もドキドキしますし、ストーリーがよく作り込まれていてキャラも魅力的です。悪役さえどこかコミカルでなんとなく憎めない…けどめちゃくちゃ悪い!と、人間のいろんな表情を描かれてますし、描写が丁寧でわかりやすくとても感情移入しやすいです。
小説を読んだのは学生以来でしたが、小説のおもしろさを思い出させてくれた素敵な作品です。ぜひこの一書ですてきな秋をお過ごしください^^
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