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絵を描くようにして小説世界が脳内に出現する体験をしてみませんか?

  • 投稿者: 蔵前   [2021年 12月 10日 22時 17分 ()]
アインヘリアを読んだその時、私はかなり衝撃を受けた。
視覚化された文章が臨場感を生み、ノアールなファンタジー世界を脳内に浮きだたせてきたのだ。
なんてこと!
そして、世界観はノアールかもしれないが、構築された世界の色彩は極楽鳥のように華やかでもある。
己のイメージだけでは引き出せない色を、アインヘリアの世界が引き出してくるからであろう。

そんな、神宅様のアインヘリアは、まず冒頭から引き込まれる。
真っ黒な獣との戦い。
その戦いによってナユタとカラハが出会い、二人を心に刻まれる事になる。
また、登場人物だけでなく、しっかりとした世界観もそこにある。
その世界を観光案内されるかのように、寮内、あるいは学内を登場人物達によって導かれ、案内されながら次の事件へと突き進むのだ。

ところで、十九話から先は、翌日が休日か確かめた方が良いと思う。
怒涛の展開となり、一気に読んでしまいたくなるからだ。

現在とは少し違う世界線、皇紀2667年の伊勢を舞台に、大学生バディが大活躍。この異能力バトルは見逃せない!

この作品は、黒森 冬炎 様主催の『その文字列を盛り上げろ!~劇伴企画~』参加作品です。
企画期間は終了していますが、連載継続中。

真宮皇道館大學の神道学科二回生のアラタ・ナユタ。
二回生になって初めての専門的な実技授業の前、早めに到着した祭式教室で、同じクラスでありながら、寮生と通生との違いもあって、それまで特に親しい間柄ではなかったマシバ・カラハを目撃した。
尋常ではない事態が起こっていたのだ。
そして、それをきっかけに二人は親しくなる。

しかし、さらに起こったトラブルをきっかけに一時的に寮に入ることになったカラハ。
その時、寮では、異変が起ころうとしていた。

さぁ、異能力バトルの開始だ。
他にも、頼りになるようでいて、実は浪漫をこじらせた中年寮生長、口調は軽い現代の鴉天狗、そしてお菓子が大好きな謎の先輩と、一風変わった登場人物の活躍も見逃せない。
是非、読んで欲しい。
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