イチオシレビュー一覧

　神様の推しキャラが死んだという迷惑すぎる理由で終了することになった世界。
　主人公の元に見届け人と名乗るちょび髭の男が現れ、「あと五分で世界が終わる」と告げます。

　そんなことを聞かされたら普通は戸惑うでしょう。しかし主人公は慌てることはありません。そして彼が取った行動はなんと、カップラーメンを作ることで……？


　世界が最期を迎えるというのにとても穏やかな雰囲気の作品です。そしてオチがとてもいい。
　面白いのでぜひ読んでみてください。

皆さん、もし神様の使いが自分の目の前に現れて
「世界は５分後に消滅する。残された時間を大切に過ごせば良い。」
と先ほどのように言われたら何をしますか？
好きな人に愛を伝えたり、親に感謝を伝えたりしますか？
それともカップラーメンを食べますか?
二人の淡々とした会話が続くこの物語ですが、そこがより面白くさせています。
最後のオチにも注目です。
今一度ご覧ください。

あと五分で世界が滅びる。突然そんな風に言われたら、あなたはどうしますか？

愛する人に気持ちを伝える？ 親に感謝の言葉を残す？

どうせ最後ですから、好きなように生きたいですよね。たとえば、このお話の主人公のように、最後の晩餐としてカップラーメンを食べるとか。

緊迫した状況を、のほほんと過ごす主人公の物語。分刻みで展開されていく巧みなお話の構成には、読んでいる方がハラハラさせられます。

突然、神様の使いを名乗る者がやってきた。彼はあと五分で世界が滅びるというのである。
そこで主人公に最後の五分間を好きに過ごせというのだった。
そこでなぜか主人公はカップラーメンを作る事にした。味が王道のカップラーメンである。
神様の使いは、主人公のその好意につっこむ。
「もっと他にすることはないのか」と。
だが、主人公はカップラーメンが食べたかったのだ。
あなたならば最後の五分間は何をしよう思うのだろうか？

６２８字の純文学。文章は読みやすく、ユーモアを含んだ淡々した物語はいろいろなことを考えさせます。
まさに純文学です。

登場人物は基本的に二人しか登場しません。

カップラーメンを作る一人の若者とそんな彼に「あと５分で世界が滅びるぞ」と言いにきたちょび髭の男。

しかし、若者は一向に焦ったり、他の行動を起こすことなく、淡々とカップラーメンを作る作業を続けます。

逆に焦るちょび髭。二人の会話で徐々にことの真相が見えてきます。最後まで淡々としている若者。そして……

ここから先は実際に読んでお確かめください。

最後のちょび髭の叫びにあなたは何を思うでしょう。