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その日常は本物ですか

  • 投稿者: 黒森 冬炎   [2021年 07月 10日 14時 06分]
「誰もいないのに、皆が私を見ている……。」


墓場で遊ぶ子供達。
昔はそれなりにあって、大人にこっぴどく叱られていた。
狭い通路で鬼ごっこをするのは危ない。それでも子供は平気で駆け回る。だが、このお話の主人公達は考えた末に「かくれんぼ」を選んだ。賢い子供達だ。

かくれんぼで鬼となった時、たった1人、心細くなる。そして、隠れているみんなに見られている感覚。それ以外にもなんだか見られているような感覚。
世界に投げ出されたような、落ち着かない感覚がリアリティ満載で語られている。

昭和の子供にとっては懐かしくありふれた、また、平成や令和の子供にとっては、不思議で違和感に満ちた、日常の光景。
けれども、お若い皆様にも、ふと1人になったときに落ち着かない視線を感じてしまう時がありはしないだろうか?
楽しく過ごしたひとときが、少し異様に思い出されはしないだろうか。

その日常は現実ですか?

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