イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

夜花火淡く弾ける微炭酸

人が、自分が物語の主人公かどうか分かる時ってどんなときでしょう。

仕事で成功を納めたとき?
SNSで世間の注目を集めたとき?

あるいは、好きな女の子に振り向いてもらえたとき?

この物語は好きな女の子にどちらが告白するかをお祭りのラムネ早飲み競争で決めようという2人の男の子のお話。
3人は幼馴染みで、鳥羽くんと譲は2人とも小森さんのことが好きなようです。
そして主人公の鳥羽くんはそれをラムネの早飲みで決めようとします。小森さんの気持ちも聞かずに……。

競争の結果がどうなったか、告白がどうなったか。それはぜひ本作を読んでみていただきたいと思います。

夏の夜の淡い恋心。
それが弾けたのか咲いたのか。
その結果いかんに関わらず、鳥羽くんはきっとこの物語の主人公だったのでしょう。

ポップに甘酸っぱい1つの恋物語をどうぞ――

∀・)少年時代は夏祭りに参加したら。ラムネを100%買っていたイデッチです。その名残なのか三ツ矢サイダーが今でもちょこちょこ飲んでます。イデッチです。


∀・)さて本作はそのラムネが夏祭りとともに登場する恋物語です。なんとも「ラムネ早飲み対決」っていうのがあるそうな(笑)そこだけでも非常に興味深いのですが、幼馴染の親友同士にして幼馴染の恋敵がそのイベントを通じて戦うという何ともポップな恋愛小説。だけど結末まで読んで欲しいのです。実は見事な情景描写で描かれていた傑作だと感じさせられますから。そうした「作品としての化け」がうまくできている作品。掌編小説です。さくっと読めます。夏の終わりに素敵な夏の思い出のワンシーンをラムネの味とともにどうぞ――

子どもが大人になる時は苦い経験だったりします。だけど、あえて苦い経験を受け入れた彼は優しさを身に着け、より魅力的になることでしょう。

  • 投稿者: 水渕成分   [2021年 08月 15日 22時 02分]
香月よう子様主宰の「夏の夜の恋物語企画」参加作品です。

6764字のヒューマンドラマ。現実世界恋愛要素も強いです。

主人公は中学二年の男子鳥羽君。彼と布川君、そして、小森さんの三人は幼馴染です。

鳥羽君は小森さんが好き。布川君も小森さんを憎からず思っている。

そして、男子二人は決めます。夏祭りに行われる「ラムネ早飲み競争」で勝った方が小森さんに告白すると。

勝負は鳥羽君が圧勝します。理由は布川君が鳥羽君の小森さんへの強い思いに配慮したから。

そして、鳥羽君は小森さんに告白しようとしますが、その時……

ここから先は実際に読んでお確かめください。

子どもが大人になる時は苦い経験だったりします。だけど、あえて苦い経験を受け入れた彼は優しさを身に着け、より魅力的になることでしょう。

夏の夜空にはじける、それぞれの恋心。

  • 投稿者: 退会済み   [2021年 07月 24日 06時 48分]
管理
親友同士で同じ人を好きになりながら、抜け駆けせずに正々堂々とラムネ早飲み競争で勝負するところからこの物語が始まります。
二人の美しい友情のやり取りに思わず胸が熱くなります。
勝負に勝ち、想いを伝えようとする主人公。
しかし、そのあと訪れる予想外の展開にまたしても胸が熱くなることでしょう。
夏の夜空にはじける、三人それぞれの恋の行方は……。
読了後、爽やかな感動の余韻に浸りながらラムネを飲むといつもとは違う、甘酸っぱい味がするかもしれませんよ。
↑ページトップへ