イチオシレビュー一覧

賢く、逞しく、優しい主人公が、王太子妃候補としてマイペースに人望を集めていく。次々に変化する場面と人間模様で、短いながらも読み応え充分な物語です。

主人公は体型のために女性として少々卑屈な所ある令嬢。でも、それを補って余りあるバイタリティーで困難を跳ね除けていきます。

後宮の陰湿さや駆け引き、外交なども彼女の弛～い口調でテンポ良く読み進められます。

個人的には同じ設定で近隣国との物語「ブサイク王子と～」が更にオススメ。とても好きな作家さんです。

　作者は当方がなろう作品を読み始めた頃に、当時書籍化された作品を有しており、一ファンとして"レジェンドオブイシュリーン"を読み終えた後に、"アルメニア王国王位継承戦役　－堀川恵美理の花嫁修業－"を拝読し、期せずして後作→前作への読破となった。
　後作後の前作は、"あぁここが繋がっているのか"とか、作りこまれている構成に感心しきりでした。
　本作は、前作につながる後作として作られている事を気づかされずに話しが進められており、最終話に生まれた娘の名前を見て"アレ?!"と気づかされ、レビュータイトルの如く妙に納得させられました。本作を読んでから続いて前作に回ると、前段で書いた当方と同じパラドックス感が味わえると思いますので、お楽しみいただければ幸いです。