イチオシレビュー一覧

ある廃神殿が彫刻家たちの憩いの場となっていると聞いた主人公は、早速向かってみる。

しかし、そこに広がっていたのは、予想外の光景だった。外野が勝手に作品を批評し、それに基づいた派閥を作っていたのだ。そのせいで、彫刻家たちは好きなものを好きなように彫ることすらできなかった。

現在はその外野はどこかへ行ってしまったようだが、残された彫刻家たちはギスギスした雰囲気をまとうようになっていた。廃神殿は、もはや創作を楽しむ者たちが集う場とはほど遠いところとなっていたのだ。

創作界隈での不自由が生まれるまでを描く作品。何とはなしに身につまされる話だ。